TBSラジオからバービーがお送りする「週末ノオト」(毎週土曜13:00-14:55)

6月26日(土)今回のパートナーは、高畑百合子アナウンサー。

高畑百合子「”白雪姫”について考えてみた」

アナウンサーコラム「〇〇について考えてみた」。

今回は、「白雪姫」について。

ディズニー映画でも有名なグリム童話「白雪姫」。

ざっくりとディズニー版のあらすじを紹介すると、

美しく成長する白雪姫に嫉妬した継母が、魔女に化け、白雪姫に毒リンゴで食べさせ殺そうと・・・。
そのリンゴを一口かじった白雪姫は倒れ、誰もが死んでしまったと悲しんでいるところ、王子様が通りかかりキス。
すると、白雪姫は意識を取り戻し、ハッピーエンド。

という、皆さんご存じの物語。

ところが今、この童話を巡り、アメリカで論争が起きているとか・・・。

高畑百合子「白雪姫」について考えてみた/ゲストは「ネット炎上...の画像はこちら >>

高畑:コロナ禍でいったんお休みしていたカリフォルニアのディズニーランドが4月30日に再開したんですよ。その時に一部のアトラクションがリニューアルされて、白雪姫もリニューアルされまして。
このアトラクションは、いろんなシーンが人形で再現されていて、その中を乗り物に乗って進みながら見ていく、物語を自分が体験していくような感じのアトラクションなんですけど、そのクライマックスシーンに、そのキスシーンが再現されたんですね。これに、アメリカの一部の人が猛反発したっていう・・・。

バービー:あーー!(驚き)

高畑:なんでだと思います?

バービー:えっ?勝手にキスしないで?

高畑:それーー!!!思います!!??

バービー:あ!ちょっと!え!うん!

高畑百合子「白雪姫」について考えてみた/ゲストは「ネット炎上」を研究している鳥海不二夫

高畑:「同意なきキスだ!」って言って、「白雪姫が気を失っている間に勝手に王子がキスをするなんてけしからん!」「子どもに見せていいはずがない!」っていうことで、削除を求める動きになったんですよ。

バービー:はい。やだ(笑)

高畑:思います?やっぱり?

バービー:おも、、います。そうだなぁ、ちょっと、3割4割くらい思うかな?(笑)

高畑:結構思うんですね(笑)そう思うかなと思って、映画を見直したらですね、この王子、ただの通りすがりの見ず知らずの王子じゃないんですよ。ちゃんと物語の冒頭で白雪姫と王子は出会っていて、一瞬、恋に落ちてるシーンも描かれてるんです。
「王子に恋い焦がれる」っていう前提があっての最後のキスだから。私は両想いのハッピーシーンにしか見えていなかったんだけれども、さっきみたいな「同意なきキスだからダメなんだ!」っていう声が上がっちゃってると・・・

高畑百合子「白雪姫」について考えてみた/ゲストは「ネット炎上」を研究している鳥海不二夫

バービー:なるほどなるほど。

高畑:で、最近、ジェンダー問題、性教育の問題、男女の社会的在り方やいろんなものが目まぐるしく変化してるし進んでいるんだけど、私はこれに文句を言うのは、ちょっと行きすぎなんじゃないかなって思ったんですよ。

バービー:はい。それはもう私も思います。

そんな白雪姫をきっかけに、くまのプーさん、スヌーピー、桃太郎などなど、時代の変化に巻き込まれる昔からの作品への想いを語る高畑さん。

2時台は「ネット炎上」のメカニズムを研究してる鳥海不二夫さん

今回のゲストは、東京大学大学院・工学系研究科システム創生学専攻教授の鳥海不二夫さん。

ソーシャルメディアの分析と設計、ニュース閲覧行動の分析と設計、社会データ分析などをされており、ネット上のデマや炎上についても研究されいるその道のエキスパート。

SNSの総フォロワー数73万人超のバービーさんにとって、ネット炎上は他人ごとではなく、いろいろとお伺い。

高畑百合子「白雪姫」について考えてみた/ゲストは「ネット炎上」を研究している鳥海不二夫

高畑:数字的には、炎上かそうでないかの境はどうなんですか?

鳥海:これ難しいところですよね。日常的に生活していると、10人とか20人が盛り上がると、炎上しているような気がする感じがあるんですけど、いろんなデータを基に私が見ている感じだと、少なくとも100万回ぐらいツイッター上で拡散していないと、「ボヤかな?」みたいな感じ(笑)

バービー:えーー!いや、ちょっと見過ぎだから!プロだからいろんなデータ見過ぎてて!

鳥海:そうなんですよ。ちょうど昨日もなぜか知らないけど、自分のツイートとかもちょっと盛り上がっちゃって。500回ぐらいリツイートされたんですけど、「まぁザコかな」みたいな(笑)

バービー:すごいなメンタル!

高畑百合子「白雪姫」について考えてみた/ゲストは「ネット炎上」を研究している鳥海不二夫

そんな鳥海さんのお考えに、報道に携わる者として、軽はずみに炎上していると報じるのはいかがなものかと、身に染みた高畑アナウンサー。

そこからバービーさんが気になる事。

バービー:自分のツイートとかで思うのが、最初、バズってるんですよ。でも、ある程度の数字を境に炎上に変わるというか。最初は純粋な「いいね」が多いんですが、「いいね」が付いていれば付いているほど、揶揄・攻撃しようとする人たちが出てきて、バズってたことがネガティブなことに変わってしまう現象が起こってるんじゃないかなって、たまに思うんですけど。
やっぱり一定数を超えて目立つと、攻撃する人っていうのが現れるんですかね?

鳥海:そうですね。私の友人で、よく炎上してる人がいるんですけれども。

バービー:誰なんだろう?(笑)

鳥海:本人は気にしてて、「あまり言ってくれるな」って言われるんですけど(笑)絶対好きでわざとやってるだろうと思うんですけど(笑)それはさておき、その人曰く「『いいね』や拡散が1000件超えると、だいたい変な人が来る」っていう。


これを専門用語的に言うと、「キャズムを超える」という言葉があるんですけども。

バービー&高畑:キャズム???

高畑百合子「白雪姫」について考えてみた/ゲストは「ネット炎上」を研究している鳥海不二夫

鳥海:ある一定数までは、自分の周りにある枠の中で盛り上がってくれる人がいるんですけども、それが1000件を超えると、その枠からはみ出すんですね。
枠の中にいる人たち、バービーさんのファンの方は、当然そんな変なことを言わないですよね。

バービー:好意的な。そうですね。

鳥海:ところがそれを超えてしまうと、ぜんぜん関係ない、事情を知らない人たちが、外からの“ぱっと見”だけで、いろんなことを言ってくるようになるんですね。一種の壁みたいなものを超えるっていうことがあるんです。

バービー:えっ!言おうもう。今度からツイートします、「キャズム超えだ」とか。「キャズム超えした」とか言おう。

鳥海&高畑:(笑)

バービー:確かに、フォロワー層じゃない人に認知されたら、そういう事が起こりうるっていうことですね。なるほどね。

バービーさんが「キャズム」という言葉を学んだあとは、「#東京五輪は中止します」や「コロナワクチン」を巡るツイートなどについても、鳥海さんに解説いただきました。

◆6月26日放送分より 番組名:「週末ノオト」
◆https://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210626130000