TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』毎週月曜日~木曜日 朝8時30分から放送中!

ふらっと こども電話相談室

2023年1月11日放送後記

TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のお兄さん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。

今回の相談は・・・

Q.スリルを楽しめるようになるにはどうすればいいですか?(東京都 しほちゃん 8歳 小学2年生)

(回答した先生)恩蔵絢子さん/脳科学者

向井お兄さん:しほちゃんは今日なにをしてました?

― K-POPのNiziUのダンスメドレーの発表会をやったよ。

向井お兄さん:すごい! しほちゃん、NiziUのダンスを踊れるの? 将来なりたいものはあるの?

― いろいろあって、ずっと思ってるのはアイドルになりたいなって。

向井お兄さん:ちょっと楽しみですね、しほちゃんの将来も。しほちゃんの質問は、スリルを楽しめるようになるにはどうすればいいか。なんでこの質問を思いついたの?

― スリルっていうのは・・・。高いところに登ってみたいなとかジェットコースターに乗ってみたいなって思うけど、ディズニーランドのジェットコースターは楽しかったけど、トンデミっていうところに高いところを歩くのがあって、やってみたらとっても怖かったから、あとからちょっとやめたいってなっちゃって。

恩蔵先生:しほちゃんも自分でいっぱい挑戦してスリルを楽しんでるように思うけど。

― うん。

恩蔵先生:だから私はしほちゃんはもうスリルを楽しむ方法を十分知ってるようにも思うんだけど、スリルを楽しむ仕組みっていうのは実はみんな持ってるの。

― えっ! そうなの?

恩蔵先生:そう、人間も動物もみんな持ってるの。

― へえ、そうなんだ。

恩蔵先生:そうなの。

だけどそれをうまく使うことができないこともあって。

― 確かに。

恩蔵先生:スリルって、実はいろんな種類があるんだよ。しほちゃんは高いところが一歩踏み出せなかったんだっけ。高いところって、命を危険にさらすスリルなの。

― えーっ!

向井お兄さん:はははは(笑)。もちろん安全に作られているものだから大丈夫だけど、「もしかしたら・・・」って思っちゃうスリルですよね。

恩蔵先生:そうそう。

― こ、こわい。ちょっとドキドキします。

恩蔵先生:でしょう? 先生は別に命は危険にさらさなくてもいいんじゃないかと思うの。

― 私もそう思います。

恩蔵先生:そうだよね(笑)。スリルはほかにもあるっていうのが大事で、実はしほちゃんはもう挑戦してるんだ。習い事、ダンスでスリルを味わうことはない?

― ええっ?

恩蔵先生:例えば、これは早すぎて絶対踊れないって思うような曲をやりなさいって言われたらドキドキしない?

― うん。緊張でガッチガチになりそう。

向井お兄さん:そうか、それも一種のスリルってことなんですね。

恩蔵先生:そうそう。だから体を危険にするスリルじゃなくて心を危険にするっていうか、ちょっと難しすぎることに挑戦してみるっていうスリルがあるんだよ。

― ちょっとそれこわいなあ。

恩蔵先生:はははは(笑)。いちばんちょうどいいスリルっていうのは、「やってもいいなあ」って思える範囲の難しさのなかで挑戦するっていうのがいい。「このくらいだったらできるかも、でもできるかどうかわかんない」っていうものに挑戦して、もし成功するとめっちゃ嬉しくない?

― 確かに嬉しいですね。

恩蔵先生:そうするとどんどん技術もうまくなっていくし、すてきなスリルが味わえるようになる。

― はい。

向井お兄さん:しほちゃん、今日のダンスはたくさんの人の前で発表したの?

― うん、結構いっぱいいて、最初はもうとっても緊張した。

向井お兄さん:それもスリルってことですよね。知らない人の前で踊りを発表するっていうドキドキを自ら味わいに行って、終わったあとは、気持ちはどうだった? 

― 終わったあとは楽しかったなあって感じる。

向井お兄さん:その楽しさっていうのはスリルを通らないと味わえないものですもんね。

恩蔵先生:すごいじゃん、人前で踊ったんだね。本当にすごいと思うよ。好きなことのなかでちょっと難しいことに挑戦してみるっていうのをやってみて。

― はい!

向井お兄さん:どうですか、しほちゃん。スリルの正体はわかりました?

― うん。スリルって知らないところに、近くにあったなんてとってもびっくりしました。

向井お兄さん:そうだね。

普段やってることのなかでもドキドキすることってたくさんあるもんね。

― うん。私、人前でいろいろなことをするのが好きだから、そういうのをいっぱいやっていきたいなって思いました。

向井お兄さん:すてき! このまんましほちゃんには好きなことにたくさん挑戦してほしいなと思ってますので、頑張ってね。

― はい、頑張ります!

向井お兄さん:自分で好きなことを見つけて人前に出ることを楽しめるってすごいことですよね。

恩蔵先生:すごいですよ。かっこいい!

向井お兄さん:我々もすごい緊張するじゃないですか。恩蔵先生はもうラジオに慣れました?

恩蔵先生:全然(笑)。
(回答者プロフィール)恩蔵絢子さん。脳科学者。人間の意識や気持ちの動きと脳の働きについて研究しています。著書に『なぜ、認知症の人は家に帰りたがるのか 脳科学でわかる、ご本人の思いと接し方』(中央法規出版。

共著)、『脳科学者の母が、認知症になる』(河出書房新社)など。

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