TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』毎週月曜日~木曜日 朝8時30分から放送中!
2023年7月26日放送後記
ふらっと こども電話相談室
TBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーです。パンサーの向井慧が「電話のお兄さん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。
Q. 心ってどこにあるの?(宮城県 ゆうせいくん 10歳 小学5年生)
(回答した先生)パトリック・ハーランさん/お笑いコンビ「パックンマックン」
向井お兄さん:ゆうせいくんは今日、何をしてましたか?
― 運動会でした。
パックン先生:運動会の特別な日にありがとうございます!
向井お兄さん:ゆうせいくんは何に出たの?
― 徒競走と大玉転がしとソーランです。
向井お兄さん:徒競走はどうだった?
― 負けました。
向井お兄さん:あら、そうですかあ。悔しかった?
― 悔しかったです。
パックン先生:でも楽しかった?
― はい!
向井お兄さん:よかったあ。
パックン先生:ゆうせいくん、ぼくは人生ずっとスポーツやってるんですよ。負けても楽しいっていうのは本当のスポーツマンの精神だと思うよ。負け試合でも自分のためになるっていうことを覚えておいて。
― はい!
向井お兄さん:まだ先生の紹介をしてない状態なんですけど(笑)。
パックン先生:ああゴメン! これはフライングというやつだよ、スポーツで言うと(笑)。
向井お兄さん:気をつけてくださいね、徒競走のときにはね(笑)。
― お母さんと弟と心でしゃべれるか話しているときに、心はどこにあるのという話になりました。ぼくは心は頭にあると思います。弟はドキドキするから心は胸にあると言っていました。心はどこにあるんですか?
向井お兄さん:心でしゃべろうっていう話を家族でしたんだ。それはなんでそんな話し合いになったの?
― 弟が心でしゃべることができないから・・・、あの、頑張ってました。
パックン先生:いや、めちゃくちゃいい質問でぼくもこれ考えるのは好きだなあ。面白いテーマだ。ゆうせいくんはなんで心は頭の中と答えたんですか?
― 脳が全部考えるからだと思いました。
パックン先生:なるほどね! 弟くんの答えもわかるよね。ドキドキするときはなんか胸がキュッとなることがあるよね 。
― はい。
パックン先生:これね、いろんな感情を体で感じることもあるんですよね。
― ・・・肩。
パックン先生:そうなんですよね。肩が凝る。アメリカ人だったらストレスを感じるときは胃が痛くなるとか言うんですよ。感じる場所も国によって違うし、心はどこにあるのか国によって考え方が変わるかもしれないね。面白いよね。
― うん。
パックン先生:例えばゆうせいくんは友だちとの間に友情関係とかあるでしょ。でもその友情関係が全部の脳の中にあると考えるとちょっとなんかつまんないよね。
― はい。
パックン先生:友だちとの間の空間の中に存在するように感じますよね。
― はい。
パックン先生:だからゆうせいくんの答えは正解だと思うんだけど、弟くんみたいに、心は胸の中にあるとか、友情は友だちの間にあるとか、愛はまわりを包み込むようなものだとか、そういう考え方もちょっとロマンチックでいいなとぼくは思うんです。自分の答えも正解、弟くんの考えも正解、違う国の違う方の考え方も全部正解の可能性もあると思いません?
― 確かに。
パックン先生:そういう答え・・・むかつきますか?
向井お兄さん:はははは。
― いや、むかつきません(笑)。
パックン先生:それはよかったです! 今日は正解が出ないかもしれないけど、それをずっと考えるのもまた楽しいから、この先もずっと友だちとの間でネタにしてもいいかもしれない。
― へええ。
パックン先生:「心はどこ」ってぼくがきっぱり断言できないのも少し負け試合のように感じるかもしれないけど、こういうことを考えるのも楽しいと思いません?
― 確かに。
パックン先生:こういうふうに正解がすぐ見つからないテーマも自分の脳みそ、マインド、そしてハートの成長のチャンスかもしれないですね。
― へえ~。
パックン先生:はっはっは。答えじゃなくて、さらに課題が増えたような気がします。
― はい。ぼくも調べてみたいと思いました。
パックン先生:ああ、素晴らしい。そうすると、いろんな勉強があると思うんですよ。心は脳みその中に生じると考えるなら脳科学者とか脳外科医とか心理学者とかになってもいいかもしれないし、脳以外の捉え方をしたいなら宗教学とか哲学とか、そういう勉強でもいいかもしれないですね。
― へええ。
パックン先生:このテーマはたぶん100年勉強しても正解は見つからないけど、その勉強の過程もずっと楽しいと思うよ。ゆうせいくんはこの先、「心はどこにあるのか」という問題を追及することによって、思ってもみない人生の道が開かれるかもしれないです。ぜひそれも楽しんでいただきたいと思います。
― はい。
パックン先生:そうですね。あっ、ぼく今、心でしゃべってました(笑)。
(回答者プロフィール)パトリック・ハーランさん。アメリカのハーバード大学を卒業した1993年、22歳で来日。英会話学校の講師やアマチュア劇団員などを経て、日本のお笑いの世界に飛び込み、1997年に「パックンマックン」を結成した異色のコメディアン。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の非常勤講師を務めるほかコメンテーターなど幅広く活動しています。