花粉症をお持ちの方、今まさにツライ方多いのではないでしょうか?ちなみに、気象予報士の増田雅昭さんによると、スギ花粉のピークは、3月20日ころ。まだまだ闘いが続きます。

そんな中、スーさんもやっているという鼻うがい。花粉症にも効果があるらしい、ということで、今回調査しました。

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ただし、実は、正しいやり方をしないとリスクもあるとのことで、正しいやり方と注意点を耳鼻科の医師に伺いました。教えて下さったのは、東京都江東区にある「よし耳鼻咽喉科」院長の、山中弘明医師。

Q. 鼻うがいとは?
鼻うがいは生理食塩水などで副鼻腔をきれいにするために、耳鼻咽喉の外科医によって長年使用されてきました。元々のルーツについて、文献等が明らかになっているわけではありませんが、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」と言われています。

Q. 「鼻うがい」のメリットについて教えて下さい。
鼻づまりがひどく口呼吸になってしまうと、鼻のフィルターを通らず細菌やウイルスが直接 喉や肺に入ってしまいます。鼻うがいをすることで、風邪やインフルエンザの原因となるウイルスを洗い流し、感染症を予防する効果が期待できます。また、花粉症などのアレルギー反応は、鼻の中の粘膜にアレルゲンが付着することで発症します。洗い流すことで、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状の緩和効果が期待できます。

ほかに、副鼻腔炎(蓄膿症)の予防・症状改善の効果や、鼻の中の不快感を軽減できるというメリットもあります。

よし耳鼻咽喉科では、副鼻腔炎などでお困りの患者さんに家でできる対処方法として「鼻うがい」をおすすめすることもあります。

ということで、花粉症の症状緩和について、お墨付きいただきました!生理食塩水を使うということですが、水道水ではダメなのでしょうか?普通の水で鼻うがいをおこなうと、ツーンとした痛みを感じるだけでなく、鼻の粘膜を傷つけてしまう可能性があります。体液と同じ浸透圧である生理食塩水か、市販の洗浄液を使用してください。

Q. 「鼻うがい」のメリットについて教えて下さい。
市販されている洗浄液や生理食塩水を使ってもよいですが、水と塩があれば自宅で作ることができます。作り方は、沸騰させた500ミリリットルのお湯を37~40℃まで冷まし、そこに塩5グラム=小さじ1杯を溶かしたら完成です。

沸騰させるときに水分が蒸発してしまうので、少し多めの水を温めるのがポイントです。鼻うがい液は保存せず、使い終わったら捨ててください。

ただ、毎回、水を沸騰させて、っていうのは大変ですよね。500ミリリットルも使わないし・・・市販のミネラルウォーターで作るのはOK?と聞いたところ・・・

「開けたばかりのミネラルウォーターであれば問題ありません。消毒、減菌された水であれば問題ありませんので、きれいな状態のミネラルウォーターも使用可能です。」

とのこと!

花粉症の症状緩和にも!痛くない“鼻うがい”のやり方

「鼻うがい」の正しい方法

効果的な鼻うがいの正しい手順は、次の3ステップ。

1. プッシュできるボトルなどに、洗浄液を入れます。
2. 頭を少し前に傾けて、口を大きく開けて「あー」と声を出しながら、片方の鼻からゆっくり洗浄液を流し込みます。


3. 流し込んだ洗浄液は、反対の鼻の穴もしくは流しこんだ鼻の穴から出してください。(口から出しても良いです)

終わったら、強くかまないように注意しながら、片方ずつ やさしく鼻をかんで、残った洗浄液を出してください。

鼻うがいをするタイミングについて、おすすめは朝と夜の2回です。朝は睡眠時に溜まった汚れを、夜は1日の生活の中で溜まった汚れを鼻うがいで洗い流すことが効果的です。花粉の季節は、外で吸い込んだ花粉を洗い流す目的で、帰宅時に行うのも有効。

やりすぎても逆効果!回数は1日2回程度に
鼻は、ゴミやウイルスが体内に直接入るのを防ぐフィルターのような働きがあります。

鼻うがいはやりすぎると、フィルターの役割をしている大事な粘膜まで洗い流して傷つけてしまう可能性があります。目安は1日2回程度にして、鼻うがいのやりすぎには注意しましょう。

鼻うがいのする際の注意点

鼻うがいは適切におこなわないと鼻の粘膜を傷つけてしまったり、別の病気を発症してしまったりする可能性があります。

洗浄液は、ゆっくりと押し出すこと。
勢いよく洗浄液を鼻に流し込むと、耳に水が流れ込んだり、鼻の粘膜を傷つけたりしてしまう可能性があります。「あー」と声を出しながら、洗浄液をゆっくりと押し出しましょう。

耳に痛みを感じたら強すぎる可能性があります。

鼻うがい後は洗浄液が鼻の中に残らないようにする
鼻の中に洗浄液が残っていると、耳に洗浄液が入り中耳炎になってしまう可能性があります。鼻うがい後はやさしく鼻をかんで、洗浄液を外に出してください。

高齢などで誤嚥しやすい方や喉に炎症がある方、中耳炎の疑いがある方は鼻うがいを控えましょう。洗浄液が肺や気管支に入ってしまったり、病気が悪化したりする可能性があります。気になる症状がある方は、鼻うがいをする前に一度医師にご相談してください。

繰り返しになりますが、「水道水そのままでの洗浄は控えましょう」
水道水には細菌が入っている可能性があり、海外では非結核性抗酸菌による慢性副鼻腔炎が発症したという報告があります。水道水は必ず一度沸騰させて、少し温めただけの液体で鼻うがいをするのは控えてください。

ほかにも気になることをまとめてみました。

鼻うがいのほかに、花粉症の軽減のためにできることはあるのか?
根本的な花粉症治療のために、舌下免疫療法はおすすめです。舌下免疫療法は、注射が不要で副作用が少なく、自宅で行えるため手軽に治療を始められます。この治療は、一時的に症状を抑える治療ではなく、根本的な体質改善やアレルギー薬の使用量の減少による生活の質の向上が期待できる治療です。治療後も効果が長く続き、将来の喘息発症やアレルギー性鼻炎の悪化、新たなアレルギー反応の発症を抑えることが期待できます。

鼻にいれるときに痛みはない?
プールなどで鼻に水が入るとツーンとするため、鼻うがいも苦しいとか痛いと思っているかもしれません。しかし、人間の体液と同じ浸透圧である生理食塩水などの洗浄液を使用すれば、刺激や痛みを感じることは少ないです。

市販の商品を使うのもOK?
市販の鼻うがいキットを使っていただくことは全く問題ありません。商品によって効果が変わることはあまりないため、お近くのドラッグストアで売っている商品をお使いいただければと思います。