日本に限らず海外でも観光客慣れした野生動物が食べ物目当てで人間に近寄るケースは多々あるが、このほどタイから旅行者のコーヒーを飲んでしまったことでカフェイン過剰摂取となり命を落としかけた猿の話題が届いた。英メディア『Metro』などが伝えている。


バンコクのバーンクンティアン区付近は水上マーケットや寺院などがあり、多くの観光客が訪れる場所だ。この付近では野生のオナガザル科マカク属の猿が多く生息しており、人を怖がることもなく近寄って来ることもある。しかし人間慣れしすぎているため、自然の中で餌を得るのではなく観光客の食べ残しを口にする猿が増えている。

そのような中で、バイクでツーリングを楽しんでいた旅行者からコーヒーを盗んだ猿がいた。猿はバイクに飛び乗って、コーヒーを奪い取り飲んでしまったのだ。しかしその後、猿はその場ですぐ倒れてしまった。


この猿は1杯のコーヒーを飲んだことでカフェイン過剰摂取となり、体に異常をきたしたという。連絡を受けて駆け付けた獣医が応急処置を施した後、猿は近くの動物病院に運ばれ手当てを受け、炭素(carbon)と生理食塩水(saline)を混ぜた溶液を与え続けられた。そして午前3時頃には、処置の甲斐あって回復の兆しを見せはじめた。

地元の猿の愛好家が集まるオンラインコミュニティ「Khon Rak Ling Hua Jai Kraen」では、今回カフェイン過剰摂取で倒れた猿は人間が飲み物を飲む様子を真似たのだろうと推測している。そして猿がまだ生後6か月だったことも伝えている。

現在、この猿は回復しており美味しそうにトウモロコシを食べている姿の写真が同オンラインコミュニティに投稿されている。
今回治療にあたった獣医は猿の回復を確認後、群れに戻している。猿はしばらくの間は監視員による観察下に置かれる予定だ。

地域の監督責任者は市民に観光地での飲食に関する注意を呼び掛けている。また猿に餌をあげる時は指定された場所で果物や野菜のみを与えるようにし、道路上に食べ物を投げるなどの行動は慎むべきだとも話している。以前も同地区の観光名所である水上マーケットでは人間が与えたジャンクフードでメタボになった野生の猿が話題となっていた。

画像は『Metro 2017年11月9日付「Coffee-drinking macaque collapses from caffeine overdose after stealing tourist’s drink」(Picture: AsiaWire)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)