米サウスカロライナ州チャールストン在住のカルロス・ぺガンさん(Carlos Pagan)は今年3月に血液のがんと告知され、現在は化学療法を受けている。そんなカルロスさんに今月初め、アマゾン配達員から思いがけない贈り物が届いた。
心温まるニュースを『ABC4 News』『InspireMore.com』などが伝えている。

血液のがんの治療により免疫力が低下しているカルロス・ぺガンさんは、人との接触を極力避けている。カルロスさんにとって新型コロナウイルスへの感染は命取りになるため、窓ガラスには交通標識の「STOP」というサインを掲げ、郵便や宅配の配達員が自宅に入ってこないように次のような説明を添えていた。

「この家にはがん患者がいるので、配達物はドアの前に置いて下さい。ご協力に感謝します。」


そんなカルロスさんの家に7月初め、アマゾンの配達員アントニオさん(Antonio)が訪れた。「STOP」サインに気付いたアントニオさんは指示通りに配達物をドアの前に置いて次の配達先へと向かったのだが、その家の“がん患者”のことがどうしても気になって仕方なかった。
実はアントニオさんは昨年、身内2人をがんで亡くしており、カルロスさんのことを他人事として捉えることができなかったのだ。

そこでアントニオさんはその日のうちに花束とメッセージカードを購入すると、カルロスさんの玄関先にそっと置いた。

「あなたが日ごとに元気になることを願い、祈っています。アマゾン配達員、アントニオ。」


面識のない配達員からのメッセージと花束に、カルロスさんが驚いたのは言うまでもない。しかしアントニオさんからのサプライズはさらに続いた。アントニオさんはその1週間後に再び姿を現し、カルロスさんと窓越しに対面を果たしたのだ。


カルロスさんは、アントニオさんが二度も訪ねてきてくれたことについてこう語っている。

「最初花束を届けてくれた時は、本当に嬉しかったよ。もう配達も済んでいるのに、わざわざ買い物に行って、全く知らない私のために戻ってきてくれたんだからね。それに彼のメッセージの言葉一つ一つが心に響いてきて。ありがたかったね。」

「再びやって来た日は日曜日で、彼は休みの日だったけど私の様子を見るために我が家に立ち寄ってくれたんだよ。そして私を窓越しに見つけると、目を丸くして喜んでくれてね。
彼は私にこう言ったんだ。」

「『僕は昨年、母と祖母をがんで亡くしたんだ。だからがん患者のあなたのために何かをしたいと思って。それに“あなたは大丈夫”ということを知って欲しいんだ。あなたはもうすぐ歩くことだってできるようになるよ』ってね。私は感極まって胸がいっぱいになってしまったよ。」

「『あり得ない』と言われるかもしれないけど、アントニオさんが去るとき、窓の外に一筋の光が見えたよ。私は『彼が神様からのメッセージを伝えに来てくれた』と信じているんだ。」

画像は『InspireMore.com 2020年7月23日付「Cancer Patient Gets Sweetest Delivery From Caring Amazon Driver.」(Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)