インドネシアのスマトラ島に住むある一家は、6人きょうだいのうち4人が非常に特徴的な顔を持つ。このたびきょうだいのうち5人が『Truly』のインタビューに応じ、これまでの苦悩や前向きに生きることができるようになったきっかけなどについて語った。


北スマトラ州アサハン県在住のマヌルングさん(Manurung)一家は、6人きょうだいのうち4人が大きな口や突出した上顎骨、つり上がった目、過度の皺など特徴的な顔つきをしている。年齢を重ねる毎に顔の変形も見られ、一家の父親に同じ症状があるが通院はしていない。顔以外に症状がないためで、はっきりとした病気の診断も受けていない。

息子でこの症状を持つスーリヤさん(Suyra、27)は「以前は顔が丸々していたけど、最近は頬がこけて細くなった」と明かし、こう続けた。

「長年自分は他の人よりも劣っていると思いながら生きてきた。でも今ではそういった気持ちはないよ。」

「今住んでいる村では僕たちのことをからかう人はいないんだ。ただ村の外に出ると、みんな驚くね。僕たちを見たことがないからね。『あの家族は呪われているのでは?』と言われたこともある。」

一方で、症状が出ていないティユアさん(Tiur、18)は「自分だけ普通の生活ができて、いじめられることもなかった。なぜ自分は他のきょうだいと違うのだろう」といつも感じていたそうだ。ただ「きょうだいが悲しんでいる時は、自分も同じ気持ちだった」と振り返り、成長するにつれてきょうだいの症状は父からの遺伝であることを認識したという。

そんなきょうだいに大きな変化が訪れたのは今年6月のことで、TikTokを始めたところ約4か月でフォロワーが60万人を超え、Instagram、Facebook、YouTubeへの投稿も開始した。


「まさか、こんなに反響があるとは!」と一番驚いているのはスーリヤさんで、現在もダンスや食事をする様子、誕生会など一家の普段の姿を精力的に投稿しており、きょうだいの仲の良さが伝わってくる。

SNSが好調なことを受けマーディアさん(Mardiah)は「同情が欲しいからTikTokをやっているんでしょう? と言われることがあるけど、それは違うわ」と語り、こう強調した。

「私たちは自分たちの今の状態を受け入れ、より良い生活をしていきたいの! もし同じ症状で悩んでいる人がいたら、決してあきらめないことよ。運命を受け入れるの!」

なおこの動画を見た人からは、「前向きでハッピーな家族。今の私たちに必要だよ」「村の人々が普通に接しているところがいい!」「エネルギッシュなところが最高だよ」「きょうだいが支え合っているのがよくわかる」「外見じゃない。心だよ」「体に異常がないことが救いだね」「一家は先天性遺伝子疾患『バーバー-セイ症候群』なのではないか?」という声があがった。


ちなみに「バーバー-セイ症候群」とは世界での症例が20以下という非常に珍しい難病で、ブラジルに住むカワナさんも患者の1人だ。カワナさんもいじめを受けてきたが、父や医師に支えられて困難を乗り越え、TikTokで自分の素の姿を晒してフォロワーが急増したという。



画像は『Born Different 2021年9月22日付Instagram「The fact is, our faces they have changed shape」』『KELUARGA MANURUNG OFFICIAL 2021年8月21日付Instagram「Moment Photo Bareng Keluarga」、2021年8月8日付Instagram「Foto Bareng Nongkrong di」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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