救急車が近づいてきた時、運転手は道路脇に車を寄せるなどして救急車の走行を妨げないようにしなければならないが、マレーシアで救急車の走行を蛇行運転で妨害した女に非難の声があがっている。救急車に乗っていたのは、重症患者だったという。
マレーシアのニュースメディア『WORLD OF BUZZ』が伝えている。

マレーシア、クアラルンプールのジャラン・ヤコブ・ラティーフに拠点を置く民間救急車両センター「Advance EMS Medivac Ambulance」が今年1月、TikTokに動画を投稿したところ、怒りの声が多数届いた。

現在は投稿を削除しているが、同センターの救急車に搭載された車載カメラが現地時間1月25日午後5時35分に撮影した映像には、前を走る乗用車による走行妨害の様子が映っていた。

乗用車は断固として道を譲らず、救急車が追い越そうと車線変更するも、それに合わせて車線を変更し、蛇行運転しながら救急車の進行を妨害している。救急車の運転手は拡声器を通して乗用車に対し、「道を開けてください!」と叫んでいるが、その声は明らかに苛立っていた。

この救急車に乗っていた救急救命士は、のちにマレーシアのニュースメディア『WORLD OF BUZZ』の取材に応じ、このように語っている。


「私たちはクアラルンプール中央環状道路2で妨害に遭ったのです。私たちがゴンバックに向かっていた時、ショッピングセンターのロータス・アンパン(Lotus’s Ampang)あたりでそれは起こりました。」

また男性患者は、病院に搬送されたものの手遅れの状態で治療の施しようがなく、自宅に送り届ける最中だったそうだ。

「病院の医師たちは患者を治療するためにできることは何もなかったようです。患者はこの時、危篤状態でした。私たちは彼に酸素マスクをつけさせて、家族のもとに帰すことしかできなかったのです。」


翌日、地元警察は救急車を妨害した乗用車の運転手を特定し、41歳の女を連行した。この女は「精神疾患がある」と主張していると報じられ、SNS上では「病気があるなんて言い訳だ!」「なんで免許が取れたんだ?」といった声があがっている。
警察は今後、女をクアラルンプール病院に連れて行き、精神疾患に関する診断書を取得する予定だという。



画像は『WORLD OF BUZZ 2024年1月26日付「“Patient was critical”- Car Driver in KL Refuses to Make Way for Ambulance, Stops it from Overtaking」(Source: TikTok | advance_ems_medivac)』『South Central Ambulance Service NHS Foundation Trust 2022年11月4日付Facebook「+++MAN SENTENCED FOR DANGEROUS DRIVING AND OBSTRUCTING EMERGENCY WORKER+++」』『LINE Today 2019年2月21日付「Chinese mother forced to make desperate plea to motorists blocking ambulance with injured son」(梨视频)』『Hindustan Times 2020年11月5日付「Cop in Hyderabad runs through heavy traffic to clear way for ambulance. Watch」(Twitter/@AddlCPTrHyd)』『King County Sheriff’s Office 2021年8月10日付Facebook「Road rage is real, especially when some whacked out driver throws a hammer at your windshield.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)