小田急「新型ロマンスカー80000形」2029年デビューへ、...の画像はこちら >>

箱根への観光や日々の通勤を支える小田急電鉄のインフラが、次の時代に向けて大きく動き出します。小田急電鉄が公表した2026年度の鉄道事業設備投資計画では、総額586億円を投じる方針が示されました 。

最大の注目は、特急EXEの代替やVSEの後継として2029年3月に就役を予定する、新型ロマンスカー「80000形」の詳細設計の着手です。さらに、列車の運行を一切止めずにホーム直上の建物を解体・新築する「新宿駅西口地区開発計画」など、巨大ターミナルの大改造も本格化します。今回は、沿線の「水」をテーマにした美しい新型特急のコンセプトから、藤沢・鶴川駅のバリアフリー化、そして2030年を見据えたワンマン運転への対応まで、小田急の鉄道設備投資計画をひも解きます。

新型ロマンスカーと新宿再開発が目玉

小田急がこのほど公表した2026年度の鉄道事業設備投資計画では、総額586億円を投じる方針です。
その目玉の一つは、2029年3月の就役を予定する新型ロマンスカー「80000形」。そしてもう一つの注目は、新宿駅西口地区の再開発に関わる工事です。

新型ロマンスカー「80000形」は、特急ロマンスカー・EXE「30000形」の代替で、VSE「50000形」の後継と位置づけられています。7両編成のボギー車で、2029年3月の就役を予定。2026年度は詳細設計を進めるとしています。
開発コンセプトは「きらめき走れ、ロマンスカー」。多摩川、相模湾、芦ノ湖など沿線の「水」をテーマに、淡い水色を基調としたデザインが示されています。

小田急「新型ロマンスカー80000形」2029年デビューへ、新宿駅の巨大再開発や3000形AI防犯カメラリ導入など、2026年度設備投資586億円
水をテーマにした新型ロマンスカー80000形(画像:小田急電鉄)

もう一つの柱が、新宿駅西口地区で進む再開発です。小田急新宿駅では、東京都と新宿区が進める「新宿グランドターミナル構想」の一環として、「新宿駅西口地区開発計画」に基づいた整備を継続します。

小田急「新型ロマンスカー80000形」2029年デビューへ、新宿駅の巨大再開発や3000形AI防犯カメラリ導入など、2026年度設備投資586億円
新宿駅完成後の地上ホームイメージ(画像:小田急電鉄)

2026年度は、ホーム直上にある建物の解体と新築工事を、鉄道の運行を続けながら進めるとしています。巨大ターミナルの機能を維持したまま、駅上部の構造を大きく更新するということです。

鶴川駅と藤沢駅で駅改良工事、経堂駅と和泉多摩川駅でホームドアの設置

駅改良では、鶴川駅と藤沢駅で橋上駅舎化や自由通路整備を進めます。藤沢駅では、ホームと橋上駅舎を結ぶエスカレーターとエレベーターの供用開始も予定されています。

小田急「新型ロマンスカー80000形」2029年デビューへ、新宿駅の巨大再開発や3000形AI防犯カメラリ導入など、2026年度設備投資586億円
藤沢駅完成後の自由通路イメージ(画像:小田急電鉄)

安全対策では、経堂駅と和泉多摩川駅でホームドアの供用開始を計画。橋梁や高架橋などの耐震補強も進めるとしています。

小田急「新型ロマンスカー80000形」2029年デビューへ、新宿駅の巨大再開発や3000形AI防犯カメラリ導入など、2026年度設備投資586億円
小田急のホームドア設置計画

通勤車両「5000形」の新造

通勤車両では「5000形」を10両1編成、8両2編成新造。加えて、「3000形」6両3編成のリニューアルも進める計画です。3000形では、防犯カメラ映像を運輸司令所などからリアルタイムで確認できる機能を備えるとしています。

小田急「新型ロマンスカー80000形」2029年デビューへ、新宿駅の巨大再開発や3000形AI防犯カメラリ導入など、2026年度設備投資586億円
通勤車両「5000形」車内(写真:小田急電鉄)

大野総合車両所の移転計画も

相模大野にある「大野総合車両所」では、現在は全ての車両の検査・修理を実施しています。しかし、開設から60年以上が経過し、施設の老朽化などの課題があることから、鉄道車両検修体制のさらなる効率化・高度化のため、伊勢原~鶴巻温泉駅間に新たな総合車両所の整備を進めています。2026年度には、用地取得手続きと、次年度以降の工事着手のための詳細設計が実施されす。

小田急「新型ロマンスカー80000形」2029年デビューへ、新宿駅の巨大再開発や3000形AI防犯カメラリ導入など、2026年度設備投資586億円
伊勢原~鶴巻温泉駅間の新たな総合車両所のイメージ(画像:小田急電鉄)

このほか、2030年ごろからのワンマン運転開始を見据えた車両改造や設備整備を実施。信号扱い業務の運輸司令所への集約も段階的に進める計画です。

2026年は、586億円という小田急の投資になります。新宿駅では、圧倒的な土木技術により、運行を止めずにビルの解体が進みます。2029年春、水をテーマにした「80000形」がホームに滑り込んでくるその日まで、私たちの「いつもの鉄路」がスマートに進化していく様子を見守っていきましょう。
(画像:小田急電鉄)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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