QPRでプレイしていたターラブト photo/Getty Images
若い頃は観衆を魅了していたが……
今から10年前、1人のトリックスターがイングランドサッカー界を騒がせていた。ボールを持てばトリッキーなプレイばかり披露し、ドリブルのアイディアが豊富で異様に相手の股を抜くのが上手い。
その選手とは、モロッコ人MFアデル・ターラブトだ。ミランでは本田圭佑とチームメイトだった時期もあり、そのテクニックは圧巻だ。
最も目立ったのはQPRに在籍していた2010-11シーズンのことで、イングランド2部ながらリーグ戦で19得点16アシストと驚異的な数字を残していたのだ。
少しボールを持った姿勢が現レアル・マドリードFWエデン・アザールを思わせるところがあり、とにかく見ていて楽しい。当時のターラブトは怖いもの知らずのトリックスターだった。
ところが、二桁得点を記録したのはこのシーズンのみ。その後移籍したフラムやミラン、ジェノアなどでも全く結果は出なかった。典型的な1シーズン・プレイヤーとなってしまい、徐々にターラブトは忘れられていった。
英『GIVE ME SPORT』はQPR時代の映像とともにターラブトを振り返っているが、「彼は本当に才能あるヤングスターだった。だからこそ彼が最高の自分になるための意欲がなく、ハードワークしなかったのが残念。もし彼がハードワークしていれば、プレミアリーグで非常に良いキャリアを築けたことだろう」とターラブトの10年を嘆いている。
当時はサッカー選手というよりトリックスターといった印象が強く、チームプレイの部分は少々雑だったとも言える。今は30歳になって経験も積み、ポルトガルの名門・ベンフィカで出場機会を確保している。理想通りのキャリアとはならなかったが、今でもベンフィカのような名門でプレイできているのは才能があった証拠だろう。
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