カディス戦に出場したイスコ photo/Getty Images
ローテーション策は難しい
2015-16シーズンよりチャンピオンズリーグを3連覇したレアル・マドリードでは、指揮官ジネディーヌ・ジダンのローテーション策が見事に機能していた。
リーグ戦とチャンピオンズリーグで巧みにメンバーを入れ替え、選手の疲労度をコントロールしながら終盤の難しい戦いを凌いできたのだ。
特に当時はエースのクリスティアーノ・ロナウドのコンディションを管理していたことが大きく、チャンピオンズリーグ決勝トーナメントの戦いに照準を合わせた調整ができていた。
今もチームを指揮するジダンとしては今後もローテーション策を使っていきたいところだが、その戦法は難しくなりつつあるのかもしれない。チャンピオンズリーグ3連覇を経験した一部の選手たちのパフォーマンスが落ちたと指摘されているからだ。
当然ながら、ローテーションを機能させるには控えにもハイクオリティの選手が揃っていなければならない。
しかし、0-1で敗れた17日のカディス戦では久々にスタメンのチャンスを与えられた選手たちの動きが良くなかったと批判を浴びている。
スペイン『MARCA』も取り上げているが、その4人とはDFナチョ・フェルナンデス、マルセロ、MFイスコ、ルーカス・バスケスの4人だ。
いずれも当時のチャンピオンズリーグ制覇に貢献した人物たちだが、その頃とは状態がかけ離れているのかもしれない。
すっかりフェルランド・メンディにポジションを奪われたマルセロは32歳を迎えており、ややピークは過ぎたか。
イスコも昨季から得点やアシストの数字が伸びず、今回のカディス戦の評価も今ひとつだった。
ナチョはセンターバックとサイドバックをこなす便利屋的DFだったが、同メディアはレアルのレベルには不十分と手厳しい。
運動量豊富な仕事人だったバスケスも、レアルでポジションを確保するレベルにはないか。若いロドリゴ・ゴエスらも伸びてきているため、攻撃で違いを生み出せないようならば苦しい。
今夏に満足な補強をおこなっていないレアルでは、もうローテーション策を機能させていくのは難しいのかもしれない。以前はハメス・ロドリゲスやアルバロ・モラタがいたが、そうした選手たちも退団している。
ジダンとしてはリーグ戦とチャンピオンズリーグの両方を戦っていくうえで頭が痛い問題か。