柿谷ら移籍組の本領発揮に期待したい(写真は札幌戦) photo/Getty Images
FC東京の堅守を崩せずスコアレスドロー
名古屋グランパスは、4月3日に行われた明治安田生命J1リーグ第7節でFC東京と対戦し、0-0のスコアレスドローに終わった。
クラブ史上初となる開幕6連勝と絶好のスタートを切った名古屋は、この6試合で失点が開幕戦のオウンゴールのみと堅守を誇ってきた。
前半7分にディエゴ・オリベイラがアダイウトンとのコンビネーションで抜け出しシュートを放つ。ランゲラックがセーブしたこぼれ球を田川享介が狙うが再び名古屋の守護神が防ぐ。さらに37分には中盤でボールを受けた三田啓貴が左足で相手ゴールを襲うなど、試合を優勢に進めていたのはアウェイチームの方だった。
そんな展開の中で名古屋はチームの得点源であるマテウスや、モンゴル代表とのワールドカップアジア予選で日本代表デビューし2得点を決めた絶好調の稲垣祥らがゴールを狙うがFC東京の守備陣を崩すには至らない。
これまでチームの連勝を支えてきた得点源が封じられる中で名古屋に求められたのが、今季から新たに加入した選手たちの働きである。なかでも今季の目玉とされる柿谷曜一朗と齋藤学というという日本代表経験もある攻撃のタレントには、ゴールやアシストといった得点に直結する形での貢献も期待されているはず。
開幕から主力を担いトップ下や前線での出場を続ける柿谷は、マッシモ・フィッカデンティのもとで植え付けられている守備面での貢献は高い。また攻撃面でも持ち味のテクニックを活かしたタメをつくる働きで名古屋の前線に新たな色を注入している。
齋藤もここまでは主に途中交代で試合の流れを変える切り札として起用されており、周りとのコンビネーションも試合を増すごとによくなりつつある。相馬勇紀とともに途中出場したFC東京戦でも得意のドリブルで試合を動かすべく奮闘を見せた。
しかし、開幕から好調を維持している中で名古屋が優勝争いに加わっていくためにはマテウスの個人技や稲垣のミドルシュート以外にも得点の形がほしいところ。
開幕7試合負けなしが続くもののFC東京の守備陣を崩せずに無得点に終わった名古屋。首位を走る川崎フロンターレを追うチームにおいて、柿谷や齋藤といった攻撃で違いを作れる新戦力たちの本領発揮が待たれるところだ。