バルセロナで活躍したロナウジーニョ photo/Getty Images
憧れるサッカー少年は多い
サッカーは時代とともに戦術も進化し、今ではアタッカーに与えられるスペースも僅かなものとなった。それによって減少したのがファンタジスタと呼ばれる選手たちだ。
独特のアイディアと圧倒的な技術で観衆を沸かせるファンタジスタはいつの時代も人気だったが、現代サッカー界ではかなり少なくなってしまった。パリ・サンジェルマンFWネイマールがその数少ない1人と言ったところか。
ファンタジスタの興味深いところは、数字だけで語れないことにある。得点数やアシスト数で優劣をつけるならバルセロナFWリオネル・メッシやユヴェントスFWクリスティアーノ・ロナウドが圧倒的に上だが、それだけでは決められない魅力がファンタジスタにはある。
中でも高い人気を誇るのが元ブラジル代表FWロナウジーニョだ。バロンドールも獲得した実績を持つロナウジーニョも、単純な数字で見ればメッシやロナウドには遠く及ばない。しかし、その人気は今でも凄まじい。

得点数ならメッシが圧倒的 photo/Getty Images
出てこぬロナウジーニョ2世
スペイン『MARCA』にて、ウディネーゼでプレイする元バルセロナFWジェラール・デウロフェウはロナウジーニョが1番好きなプレイヤーだと語る。
「僕にとってはロナウジーニョが史上最高の選手だ。カンプ・ノウで彼の隣でゲームを見たけど、それは素晴らしい経験だった」
デウロフェウもどちらかといえばファンタジスタ色の強い選手ではあるが、当時のロナウジーニョに強い影響を受けたサッカー少年は多い。数字では負けたとしても、メッシやロナウド以上にロナウジーニョの方が好きというサッカーファンもいるはず。
戦術が進化したことで得られる面白さがある一方で、ファンタジスタと呼ばれる選手が出てこなくなったのは寂しくもある。