ブラジル代表を引っ張るネイマール photo/Getty Images
戦力は揃っている
南米予選12試合を戦って11勝1分0敗。抜群の安定感でカタール行きを決めたブラジル代表は、来年のワールドカップ・カタール大会こそ優勝出来るだろうか。
南米での強さは圧倒的で、12試合で27得点4失点と攻守ともに穴がない。特に守備の安定感は見事で、南米の厄介なアタッカー陣を抑え込んできた。予選の内容を考えれば、ブラジルは来年のワールドカップでも優勝候補になるだろう。
ただ、2002年の日韓大会優勝以降のブラジルは思うような結果を出せていない。毎大会のように優勝候補に挙げられるのだが、2006年のドイツ大会からはすべて欧州勢が優勝している。ここ15年ほどで欧州と南米の実力に差が生まれた印象だ。
カタール大会こそはサッカー王国の実力を見せてほしいところで、タレントは確実に揃い始めている。
GKのアリソン・ベッカー&エデルソン・モラレスの2枚看板は絶対的な存在感があり、他国も羨む層の厚さだ。
DFではチェルシーで良い時間を過ごすベテランのチアゴ・シウバがまだ戦力になる。パリ・サンジェルマンDFマルキーニョスも4年前よりパワーアップしていると言っていい。
さらにレアル・マドリードで出番を掴んだエデル・ミリトン、アーセナルで成長するガブリエウ・マガリャンイスなど、センターバックもまずまずの人員が揃う。

ブラジル代表に戻ってきたバルボサ photo/Getty Images
欧州勢には負けていられない
守備的MFにはカゼミロ、前回大会はメンバー外だったリヴァプールのファビーニョがいる。
攻撃的MFフィリペ・コウチーニョがバルセロナで調子を落としているのは痛いが、その代わりにリヨンMFルーカス・パケタが好調を維持している。ミランでは苦戦していたが、リヨンにて華麗に復活。今やセレソンに欠かせぬ攻撃のピースだ。4年前にはメンバー外だった戦力であり、パケタの台頭も大きい。
最後に前線だが、やはりネイマールが主役だ。加えて若い戦力が伸びており、アヤックスのアントニー、レアルのヴィニシウス・ジュニオール、さらにフラメンゴでガビゴルことガブリエウ・バルボサも復活した。
4年前のロシア大会ではネイマール、ウィリアン、ドウグラス・コスタ、ロベルト・フィルミーノ、ガブリエウ・ジェズスがFWとしてメンバーに入っていたが、攻撃陣は今の方が強烈なのではないか。特に層の薄いセンターフォワードでバルボサが戦力になってくれれば大きい。国内リーグでは今季も14試合で9得点5アシストと爆発中だ。
ネイマールにとっては最後のワールドカップになる可能性もあり、カタール大会への思いは強いだろう。安定した守備を軸にロースコアのゲームを制するチームを作れれば優勝も狙えそうだが、今度こそ頂点に立てるか。