リーガで快進撃魅せるラージョ photo/Getty Images
今季特大のサプライズに
今季のリーガ・エスパニョーラは何かと動きが激しい。以前はバルセロナとレアル・マドリードの2強体制となっていたが、今はバルセロナが大失速。
中でも注目は、6位につけるラージョ・バジェカーノだ。
米『ESPN』は、チャンピオンズリーグ・グループステージで落ちたバルセロナやセビージャのように欧州で苦戦したスペイン勢にとってラージョの戦いがヒントになるのではないかと主張する。
ラージョが世界のスタンダードとなっている攻守の切り替えが素早いフットボールを展開しているからだ。
ラージョは昇格組なのだが、10月にはバルセロナをも撃破した。バルセロナ相手にもラージョが積極的に前からプレスをかけたことで、バルセロナが思うように攻撃を組み立てらなかったのだ。
以前ならばシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、リオネル・メッシらがいたため、相手のプレスをいなすことも容易だったのだが、今の中盤ではそれが出来ない。
ラージョの展開の速いサッカーはイングランド・プレミアリーグでも実践されているもので、チームを指揮する39歳の青年監督アンドニ・イラオラもサッカー界全体のテンポが速くなっていると語る。
「数年前に比べると、ピッチで起こることがよりスピーディーになっていて、選手たちはフィジカルの部分で良い準備をしなくてはならない。ボールを操るのが上手いだけの選手は難しくなるかもしれない。なぜなら指揮官はそれ以上のものを求めるからだ。現在の欧州ではチェルシー、リヴァプール、バイエルンらが支配的だ。
サッカー界全体でフィジカルの重要性が増しているのは明らかで、今のサッカー界の流れはスペインにとっては相性の悪いものなのかもしれない。
今夏1部に昇格したラージョは、500万ユーロほどしか新戦力の獲得にお金をかけていない。フリーでベテランFWラダメル・ファルカオは獲得したが、それでも全体的には静かな夏だった。
それでも6位に食い込むのだから、青年監督イラオラと選手たちの頑張りは見事と言える。同メディアはラージョのスタイルを他クラブも見習っていくべきではないかと主張しているが、スペインサッカー界でもトレンドは変わっていくか。