ノリッジ戦でハットトリックを決めた香川 photo/Getty Images
ブルーノ・フェルナンデス級の存在になれた可能性も
日本のサッカーファンだけでなく、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターも覚えていてくれることだろう。2013年の3月、マンUの26番をつけたMF香川真司がノリッジ・シティ戦でハットトリックを記録した日のことを。
あのハットトリックは単純に3点を奪っただけでなく、ゴールの内容が良かった。特に衝撃的だったのは2点目と3点目だ。
2点目は前線でウェイン・ルーニーがタメを作り、ペナルティエリアまで上がってきた香川に優しい横パス。香川はそれを思い切り振り抜くのではなく、ゴールにパスをするような感覚で優しくシュート。コロコロと転がったボールが相手GKの逆を突いてネットを揺らすことになり、香川らしいオシャレな一撃だったと言える。
3点目もルーニーが香川にパスを出し、香川は飛び出してきたGKを嘲笑うようにチップシュートで得点。こちらも香川らしいゴールだった。
英『Daily Mirror』はあのシーンを改めて振り返っていて、「今後数年にわたってレッドデビルの助けになるように見えた」と綴っている。
それは日本のファンも感じたはずだ。特にウェイン・ルーニーが香川の良さを理解してくれていたところがあり、香川がやりやすいタイミングでパスを出してくれていた印象があった。ルーニーとの相性の良さも、マンUでの未来を感じさせた理由だ。
12月31日は当時チームを指揮していたアレックス・ファーガソン氏の誕生日で、ファーガソン氏も80歳を迎えた。
しかし、ファーガソン氏が退任したことでそのプランが崩れてしまった。ファーガソン氏の下で続けることが出来ていれば、それこそ攻撃的MFとして今のブルーノ・フェルナンデスに近いインパクトを残せたかもしれない。
その後のマンチェスター生活は厳しい結果となってしまったが、それでもノリッジ戦の記憶が薄れることはない。同メディアもあのハットトリックをサポーターも記憶しているはずと伝えており、オールド・トラッフォードであんなインパクトを残す日本人選手は今後もそう簡単には現れないだろう。
そんな香川は2022年をどんな1年とするのか。昨年にギリシャのPAOKを退団し、今はどこへ向かうのか注目されている段階だ。
今年はワールドカップ・イヤーでもある。32歳になったとはいえ、香川の実力ならば再び代表に入ることも可能なはず。ここからの巻き返しがあるのか注目したい。