マンチェスター・シティからのローン移籍で加わったシャルケでプレイする板倉 photo/Getty Images
どちらもいいところはある
今冬の移籍市場ではセルティックに3名の日本人選手が加わるなど、海外で活躍する日本人プレイヤーがさらに増えることになった。彼らが活躍すれば日本代表の戦力アップにつながることは間違いなく、活躍に期待だ。
しかし、必ずしも海外移籍すれば成功というわけではなく、失敗といわざるを得ない例もある。バルセロナBへ移籍した安部裕葵の海外移籍は成功とはほど遠く、世代であった東京五輪のメンバーとして招集されることもなかった。
「海外に行かなければ良かった。バルセロナBにいってもしょうがない。普通のチームに行ったほうがいい。デカいチーム(ビッグクラブ)のBチームとか、マンチェスター・シティと契約したとか見栄えはいいけど、その後がない。レンタルになれば、レンタル選手のまま」
DAZNの『Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME』に出演した元日本代表の松井大輔氏は、このように持論を述べている。確かにビッグクラブに移籍するもトップチームでの出番はなく、レンタル移籍で影を薄めてしまう選手は多い。松井氏が挙げたシティはその傾向にあることが多く、板倉滉はシャルケへ、食野亮太郎はポルトガルのエストリル・プライアへローン移籍しており、斉藤光毅はシティ・フットボール・グループのロンメルに完全移籍している。板倉や斉藤は所属クラブで出場機会を得ているが、食野は今季6試合しか出場できておらず、ポルトガルで苦しんでいる。食野は安部と同様に東京五輪ではメンバー外となっており、所属クラブで継続した出場機会を得られれば、メンバーに割って入れた可能性はある。
このようにビッグクラブ移籍でのリスクが語られているが、板倉や斉藤はシティを経由したことで海外進出に成功しており、クラブで出場機会を得ている。
タイミングやトップチームの選手事情など、難しいビッグクラブへの移籍。今後も日本の有望な選手の引き抜きがあると予想できるが、松井氏が指摘するリスクを考えて移籍の決断をして欲しい。