ガラタサライは昨季の国内リーグを制しているが…… photo/Getty Images
今夏のガラタサライは30代プレイヤーの補強が目立った
今夏はサウジアラビアの各クラブが欧州で活躍してきたスター選手の引き抜きに動き、カリム・ベンゼマやネイマールといった豪華タレントたちがサウジアラビアへ渡った。
こうしたサウジアラビア勢の補強スタイルは世界的に話題を呼んだが、この路線を取っているのはサウジアラビアだけではない。
サウジアラビアほど派手ではないが、トルコのクラブも似た路線で動いているところがある。例えば、昨季ライバルのフェネルバフチェとのレースを制してトルコ国内リーグを制したガラタサライだ。
今夏のガラタサライはレヴァークーゼンからMFケレム・デミルバイ(30)、アル・ナスルからFWセドリック・バカンブ(32)、クリスタル・パレスからFWウィルフリード・ザハ(30)、チェルシーからレンタルでMFハキム・ツィエク(30)、さらにパリ・サンジェルマンからレンタルで加入していたFWマウロ・イカルディ(30)を完全移籍に切り替えるなど、30代プレイヤーの補強が目立った。
こうした動きは今夏に限ったことではなく、トルコの各クラブは欧州5大リーグで微妙な立ち位置にある『アラサー』の選手を積極的に引き抜いている。
ガラタサライは昨季もリーグを制しているため、問題ないとの見方もできる。しかし、トルコのサッカー専門家であるマチュー・マルカログル氏はメリットばかりではないと指摘する。
「トルコサッカー界がベテラン選手たちに過剰なサラリーを払うリーグだとのイメージを払拭したいのであれば、自分たちのアカデミーやスカウティングに投資しているSCブラガ、アタランタ、RBライプツィヒといったクラブを参考にすべきだ。これらのクラブは、数年以内に選手をはるかに高い価格で売却する術を知っている。もしその流れができれば、トルコのクラブだってヨーロッパリーグやカンファレンスリーグで戦えるようになるだろう」(仏『Foot Mercato』より)。
ベテラン選手を獲得した場合、手放す際に売却益を確保しづらいとのデメリットはある。ベテラン選手の補強も悪くないが、アカデミーでの若手育成などバランスの取れた強化策が重要となる。そこはトルコ勢の課題か。