優勝しても持ち帰れない? W杯トロフィーに隠された意外な事実...の画像はこちら >>

ワールドカップのトロフィー photo/Getty Images

"永久保有"が消えた理由とは

ワールドカップ優勝国の主将が高々と掲げる優勝トロフィー。サッカー界で最も価値あるトロフィーとして知られるが、実は優勝しても永久に所有できるわけではない。

米『AP』が、その誕生秘話や知られざる歴史を紹介している。

現在使用されているトロフィーは、イタリア人彫刻家のシルビオ・ガッツァニーガ氏がデザインしたものだ。1970年大会でブラジル代表が3度目の優勝を果たし、ギリシャの女神ニケを象ったジュール・リメ杯を永久保有したことを受け、FIFAは新たな優勝トロフィーのデザインを公募。50を超える応募作品の中から採用された。

高さ36センチ、18金製のトロフィーには、地球を支える2人の人物が渦を描くように伸びる姿が表現されている。シルビオ氏の息子ジョルジョ・ガッツァニーガ氏によれば、この形には「選手の苦闘」「勝利の瞬間」「歓喜するサポーター」という3つの感情が込められているという。

ワールドカップの優勝トロフィーには、盗難という波乱の歴史もある。1930年から使用されていた初代ジュール・リメ杯は、1966年大会前にイングランドで盗まれたものの、犬の「ピクルス」が植え込みの下から発見。その後、ブラジルが永久保有したが、1983年に再び盗難に遭い、現在まで見つかっておらず、溶かされたと考えられている。

こうした経緯もあり、現在の優勝トロフィーはFIFAが管理している。優勝国の主将が決勝後に掲げるのは本物だが、大会終了後にはスイスのFIFA本部へ返却される。優勝国に贈られるのは金メッキ製のレプリカであり、かつてのように3度優勝しても本物を永久保有することはできない。


このトロフィーは1974年大会から使用されており、2026年大会で14回目のワールドカップを迎える。FIFAは少なくとも2038年大会まで現在のものを使用する方針を示しており、決勝ではアルゼンチン代表かスペイン代表の主将が、半世紀以上の歴史と数々のドラマが刻まれた優勝トロフィーを高々と掲げることになる。

編集部おすすめ