(左から)パーソナリティの小山薫堂、吉永陽一さん、宇賀なつみ
◆小さい頃から空を飛びたいという願望があった
吉永陽一さんは、1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科を卒業後、建築模型製作会社を経て、空撮会社にフリーカメラマンとして登録。2004年に有限会社福聚を設立し、空撮のキャリアを積んでいきました。小型機やヘリコプターから鉄道を撮影する「空鉄」という独自の表現で注目され、2011年には初個展「空鉄」を開催。その後も、個展や書籍を通じて数々の空撮鉄道写真を発表しています。
吉永さんは大学で写真を学んだものの、一度は写真の世界から離れ、建築模型製作会社に就職。しかし、そこでマンションなどの資料用空撮写真に触れたことで、幼少期からの憧れが再燃したといいます。
「幼少期から鉄道と飛行機が大好きで、小さい頃にずっと空を飛びたいという願望がありました。あるとき、鉄道雑誌で(空撮鉄道写真の)先駆者である花井健朗さんの空撮連載を見て「こんなにすごい世界があるんだ」と憧れたのが、直接のきっかけです」と振り返ります。
意を決した吉永さんは、片っ端から空撮会社に連絡を入れて自分を売り込み、フリーカメラマンとして登録。2004年には自身の会社を設立し、キャリアを本格化させました。一般にはあまり知られていませんが、空撮の仕事は不動産広告や官公庁の資料撮影、船会社のオフィシャル撮影、さらには学校の周年記念の人文字撮影まで多岐にわたります。
◆空撮写真家が仕掛ける「空鉄」という奇跡
空撮の現場は、極めて緻密な計算の上に成り立っています。毎回ヘリやセスナをチャーターするため、1分単位で高額な費用が発生するため、限られた時間のなかで狙った瞬間を逃すことは許されません。そのため、吉永さんは飛行中、常にパイロットへ指示を出し続けているといいます。
撮影時、吉永さんは驚きのスタイルで機体に乗り込みます。窓を全開にして、靴を脱いでシートの上に正座するといいます。「体がふわふわしていると危ないんです。しかも、機材は絶対に落とせないので、体幹をしっかり固定する必要がある。私にとっては正座のような姿勢で体を固定するのが、一番しっくりときました」と吉永さん。
空撮で恐ろしいのは、突発的な気流の乱れ。「エアポケットに入ると、機体がストンと落ちます。天井に頭を激突させるのは日常茶飯事で、過去には頭を強く打って機内で一瞬気絶したこともありました。床に置いていた200ミリの望遠レンズが、無重力のようにふわりと浮き上がるんです」。
「空から見て、地上では気づかなかった美しさを感じる場所はどこですか?」という宇賀からの問いに、吉永さんは迷わず「四季」と答えます。大都会・東京であっても、上空から見れば季節の移ろいは鮮やかだといいます。春には街のあちこちで桜のピンクが、夏には青々とした緑が、秋には燃えるような紅葉が街を彩ります。「緑の多い都市もあれば、街が多い都市もあって、その土地その土地の歴史と営みが、上空からだと(地図のように)浮かび上がってくるんですよね」と、空撮ならではの魅力を語ります。
真上から切り取った旅客機と鉄道の交差写真
◆天国の母へ宛てた手紙――「空鉄」の遺伝子
数ある都市のなかでも、吉永さんが特に愛着を持つのが、生まれ育った東京と、大学時代を過ごした大阪の街並み。そして、日本全国を網羅すべく、次は函館や中国地方の空を飛びたいと語る吉永さん。
すると、小山がひとつのを企画を提案します。「僕の故郷である熊本の天草に、イルカが描かれた飛行機(天草エアライン)が一機だけいるんです。それが着陸する瞬間を、ぜひ上空から撮ってほしい。まるでイルカが海を泳いでいるみたいに見えるはずです」と、小山からのロマンチックな提案に、吉永さんも「あー、素敵ですね」と思わず目を輝かせる場面もありました。
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旅先で絵葉書を書き、現地の消印(風景印)を押して送るのが好きだという吉永さん。
「母は、線路や車両といったものだけではなく、その土地の歴史や関わる人々、背景にいたるまで、すべてを『鉄道』として捉えていました。その深みが、今の私の空撮にすべてフィードバックされています」と、空鉄写真家としての原点を明かしてくれました。
<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY'S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/post/
番組公式X:@sundayspost1
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