岸田新政権となり、日本における「賃金アップ」が課題となるとなっています。



賃金、つまり給料は、当然ながらビジネスパーソンや労働者の多くが関心があるのは疑いの余地がないでしょう。



また、一口に賃金アップとは言いますが、賃金アップはどのように実現されるのでしょうか。



シンプルに考えると、勤務先企業が収益を上げていれば賃金アップの余地はあるということでよいでしょう。



また、その反対の状況、つまり勤務先企業が思うように収益を上げることができていなければ、会社側も賃金を上げにくいというのが実際ではないでしょうか。



そう考えると、企業収益がどうなのかを知ることが大事ですし、就職や転職を意識する側からすれば、まずは業績をもとにどの程度の給料が支払われているのか気になると思います(※編集部注)。



そこで、今回は日本を代表する上場企業であるトヨタ自動車を例に、従業員一人当たりについてどれくらいの利益を上げているかについてみていきます。



【※参考記事】トヨタ自動車の給料はいくらか【2021年更新版】( https://limo.media/articles/-/26218 )



■トヨタ自動車の従業員は一人当たりいくらの営業利益を稼いでいるか



トヨタ自動車の有価証券報告書をもとにすると、2021年3月期の連結の内容は、以下の通りです。



  • 営業利益:2兆1977億4800万円
  • 従業員数:36万6283人

これらの数値をもとに一人当たり営業利益を計算すると以下の通りです。



  • 一人当たり営業利益:約600万円

つまり、平均すると一人当たり毎月50万円程度の利益を稼いでいるということになります。



■トヨタの自動車事業の従業員一人当たりいくらの営業利益を稼いでいるのか



同様に、自動車事業だけについてみていきましょう。



  • 営業利益:1兆6071億円
  • 従業員数:32万5328人

これらの数値をもとに一人当たり営業利益を計算すると以下の通りです。



  • 一人当たり営業利益:約494万円

つまり、平均すると一人当たり毎月41万円程度の利益を稼いでいるということになります。



トヨタ自動車単体の従業員の平均給与が858万円程度ですから(※編集部注)、単純な比較となってしまいますが、平均給与の58%程度を営業利益として稼ぐということになります。



【※参考記事】トヨタ自動車の給料はいくらか【2021年更新版】( https://limo.media/articles/-/26218 )



■トヨタの金融事業の従業員一人当たりいくらの営業利益を稼いでいるのか



同様に、金融事業だけについてみていきましょう。



  • 営業利益:4955億円
  • 従業員数:1万2393人

これらの数値をもとに一人当たり営業利益を計算すると以下の通りです。



一人当たり営業利益:約3998万円



つまり、平均すると一人当たり毎月333万円程度の利益を稼いでいるということになります。



■まとめにかえて



こうしてみると、トヨタ自動車全体で見たときには、一人当たり営業利益は600万円でした。



トヨタ自動車単体の平均給与は800万円を超えていますから、その水準よりは低いことになります。



また、自動車事業だけでみると、約490万円と、全体でみるよりも下がります。



これは、金融事業の一人当たり営業利益が高いことによります。



金融事業はさておき、今後は、自動車事業で生産性を上げられるのかが注目点になろうかと思います。



■参考資料



  • トヨタ自動車「有価証券報告書」( https://global.toyota/pages/global_toyota/ir/library/securities-report/archives/archives_2021_03.pdf )
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