突然ですが、皆さんは富裕層と聞いてどういう方をイメージされますか?



有名な方でいえば、ソフトバンクグループ社長の孫正義さんや、たびたびニュースでも話題になるZOZO創業者の前澤友作さんなどを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。



実は、孫正義さんと前澤友作さんは「富裕層」の中でも「超富裕層」と呼ばれるグループに分類されます。



「超富裕層って?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はいくらぐらい資産を保有しているかによって、富裕層の度合いを5つのグループに分けることができます。



野村総合研究所のデータによると、「富裕層」は純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯。5000万円以上1億円未満を「準富裕層」、5億円以上を「超富裕層」と呼びます。



また、今回の記事では触れませんが金融資産がゼロ~3000万円未満を「マス層」、3000万円以上5000万円未満を「アッパーマス層」と呼びます。



イメージとしては、あまり貯蓄を保有していない世帯から、すごくお金持ちとまではいかなくても平均よりは少し上で比較的余裕がある世帯がこの2つに入ってきます。



ほとんどの日本人はこれら2つのグループに分類されており、それだけでなんと国内全世帯の91%を占めているとのことです。



しかし今回は、日本国内の全世帯の中でも2.4%しか存在しない圧倒的少数派である純金融資産保有額1億円以上5億円未満の「富裕層」についてフォーカスしていきたいと思います。



■富裕層の共通点とは



先ほど富裕層に該当する世帯は日本国内でも2.4%だけしか存在しない、ごく限られた少数の方たちだとお伝えしました。



一方、参考までに国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、現在日本の平均年収は433万円です。



富裕層の定義と特徴とは?富裕層が節約する意外な3つのポイントも元金融機関社員が解説

出所:国税庁 「令和2年分 民間給与実態統計調査」



この数字だけ見ると、「やはり富裕層になんてそう簡単になれないものだ」と思う方も多いと思います。



では、富裕層と呼ばれる方たちは、具体的にどういった特徴を持っている方々なのでしょう?



一般的に、富裕層に該当する方たちというのは「親からまとまった資産を受け継いだ」「自分で起業して成功した」もしくは「医師や弁護士などいわゆる高給取りといわれる職に就いている」というケースが多いです。



しかし中には、特におおきな出世をしたわけでもなく定年まで会社員として勤めてきた普通の方もいらっしゃいます。



このように、私たちと変わらないような一般の会社員だったけれども億単位の資産を築けた方たちにはある共通点があります。



それは、「20代30代の若い時期から資産運用をしていたこと」と「本当に必要なものだけにお金を遣い、無駄遣いしなかった」ということです。



人によって資産運用はなかなかハードルが高いかもしれませんが、「無駄遣いしない」なら誰でもマネをしやすいので次の項から詳しく解説していきます。



■「富裕層の無駄遣いしない」はケチではない



日頃から豪快にお金を遣うイメージもある富裕層ですが、実際は違います。



財布の紐はかたく、人によっては「あのひとはケチだ」という印象を持たれてしまうことも多々あります。



しかし、実際は富裕層の方はケチではなく「払う価値がないと思うもの」に対してお金を遣わないだけです。



自分が何にお金を遣って、何にお金をかけないかその基準が明確なだけなのです。



では富裕層は何にお金を遣わないようにしているのでしょうか。代表的なものに次の3つがあげられます。



  • 日常の洋服代
  • ATMの手数料
  • コンビニでの買い物

なぜこれら3つにお金を遣わないようにしているか、みなさんは予想がつきますでしょうか。ひとつずつ詳しく解説していきます。



■富裕層が節約するポイント1. 日常の洋服代



富裕層の方がお金を遣う際のものさしの一つに「コストパフォーマンスがいいか」という視点で考える特徴があります。



それは洋服を買う際にも同じで、「いかにリーズナブルで優れた機能性があるか」で判断するため最近は、これらのニーズを満たしたユニクロを愛用する富裕層の方も非常に多いです。



洋服を選ぶときも、コストパフォーマンスを考えて選んでみると富裕層へ近づけるかもしれませんね。



■富裕層が節約するポイント2. ATMの手数料



みなさんは普段お金を下ろす時に、手数料がかからないよう時間帯や場所を選んでお金を引き出すようにされていますか?



最近はコンビニでも簡単にお金を引き出せますが、曜日や時間帯によってはお金を下ろすだけで数百円単位の手数料がかかります。



金額は数百円と小さいですが、金融機関によっては月◯回まで引き出し手数料無料とうたっているところも多く、工夫すれば手数料の負担を軽くすることができます。



実は、こういった工夫を日頃から心がけているのが富裕層と呼ばれる方たちです。



少額でも無駄な手数料は極力払わない、不要なものにはお金を遣わない。

このマインドを大事にしているからこそ、富裕層でいつづけられるのかもしれません。



■富裕層が節約するポイント3. コンビニでの買い物



先ほどコンビニでお金を下ろす際の手数料について話しましたが、コンビニの使い方には他にも気をつけるべきポイントがあります。



それは、できるだけコンビニで買い物をしないことです。コンビニはどこにでもあって、何でも手に入るので利便性が高いですが、スーパーで同じ物を買うより値段が高いことがほとんどです。



また、コンビニには目新しい興味をひくような商品もたくさんあるため、ついお財布の紐がゆるくなりがちです。



これを防ぐためにも、富裕層の方たちはなるべくコンビニではなくスーパーで買い物をするように気をつけています。



「同じ物を買うならなるべく安いところで」



これを心がけるだけで、毎月の支出が減り少し生活に余裕がでるかもしれないのでマネをしてみると良いかもしれません。



■富裕層はお金を大事に使う



今回は富裕層の方のお金の遣い方について詳しく見てきました。実際、どういうお金の遣い方をしているかというと「不要なものにお金を遣わない、無駄遣いをしない」という特徴がありましたね。



言い換えると「お金を大事に扱う」という見方もできますよね。お金を大事にするから、お金に愛される。



なかなかお金が貯まらないという人は、「お金を大事に扱っているか」ということをいま一度考え直してみると良いかもしれませんね。



■参考資料



  • 野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」( https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2020/cc/1221_1 )
  • 国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」( https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2020.htm )