本日のレンジ予測

[本日のドル/円]上値メドは110.51下値メドは109.05

今朝の天気マークは「雨」


※天気の判定基準は記事末尾にあります


75点だった雇用統計


 米労働省労働統計局(BLS)が2月7日に発表した1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+22.5万人(前回+14.7万人)、失業率はやや上昇して3.6%(前回3.5%)。平均労働賃金は前月比+0.2%、前年比+3.1%という結果でした。


 非農業部門雇用者数の事前予想は+16.0万人だったので、大幅増加といえます。

ただ、ADP雇用データを見て、強いことはある程度見当がついていのでサプライズではありませんでした。むしろ失業率が0.1パーセントポイント上昇したことのほうが驚きといえば驚き。雇用市場ピークアウトのサインだという見方もあるのですが、これは労働参加率の上昇によって分母が大きくなったせいということに落ち着きました。労働参加率は63.2%から63.4%へ0.2パーセントポイント増えましたが、失業率は0.1パーセントポイントしか上がっていません。


 米雇用市場は引き続き良好でした。もしFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げするための「大幅な見通し変更の兆候」を今回の雇用統計に探していたとするならば、何も見つけられなかったでしょう。

しかし、指標発表後のドル/円の高値は109.99円まで。レンジを破って110円にいくほどインパクトもなかった。いってみれば75点くらいの結果だったといえます。


 ドル/円の動きについては「今日の注目通貨」をご覧ください。


今朝の天気「雨」

7日のドル/円のNY市場終値は109.78円
6日の終値に比べ0.20円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは「雨」です。


今日の格言:

偉大な業績を成し遂げるたったひとつの道は、自分がやっている事を好きになることだ。

- スティーブ・ジョブズ​


今日は何の日(2月10日):

帝国劇場落成(1911年)
パリ平和条約調印(1947年)
IBMのディープ・ブルーがチェスチャンピオンに初勝利(1996年)
えひめ丸事故(2001年)
トリノオリンピック開幕(2006年)


各国・各通貨トピックス

ドル:
    1月米雇用統計、非農業部門雇用者数+22.5万人、失業率3.6%
    1月米雇用統計、FRBが利下げする理由は全く見当たらない
    米国人の4割が「去年に比べてお金に余裕ができた」 トランプ氏再選に追い風
    米中貿易協議の第一段階合意も、不透明感残り大型投資は戻らない


新型肺炎:
    中国本土の死者が803人に。 SARSの世界死者数を超える
    中国の公式保健部「空中伝染する可能性あることを確認」非接触感染のリスクが高まる
    日本の隔離対応「甘すぎる」米軍関係者が苦言
    米国は空軍基地に隔離、ロシアは帰国者をシベリア送り
    河南省「外出は各家庭2日に一人だけ」


NY原油先物:
    原油価格下落。新型肺炎による需要減を懸念
    OPEC(石油輸出国機構)は、2020年通じて減産維持か
    供給ショックによる原油高は「リスクオフ」を招く


豪ドル:
    利下げしたのに、小売売上高は悪化。RBA(豪準備銀行)は4月と8月に再利下げか
    RBA総裁「豪ドル安は助かる」
    RBA「失業率悪化なら利下げ」


カナダドル:
    カナダ安。新型肺炎による資源価格下落を懸念


その他:
    日本酒、今後10年間でフランス国内の市場規模10倍になる可能性
    中国がキャビアの主要生産国に。カスピ海のチョウザメは絶滅危機
    ベネズエラのインフレ率、7,000%超に「鈍化」IMFの当初予測は1,000万%


主要指標終値

1月米雇用統計は良好。しかし、ドル/円は110円に届かず
出所:楽天証券が作成

本日の注目通貨

ドル/円:

 米雇用統計発表直後のドル/円は、非農業部門雇用者の増加数に反応したアルゴの買いで上昇。しかし高値は109.99円まで。110円をつける間もなくすぐに売りに押されて、その後は当日安値となる109.53円まで押し戻される場面もありました。

売り方は雇用統計とは関係なく、新型肺炎の週末ニュースに備えたポジション調整が主体だった模様。この日の高値は東京時間につけた110.02円で、改めて110円台の重さを認識させられました。なお、110.02円は先週の高値でもあります。終値は109.78円。


1月米雇用統計は良好。しかし、ドル/円は110円に届かず

1月米雇用統計は良好。しかし、ドル/円は110円に届かず
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 


トレード前に必ずチェック!今週発表の重要指標!

中国CPI(消費者物価指数)、パウエルFRB議長、RBNZ(NZ準備銀行)政策金利、米CPI、米小売売上高 など


1月米雇用統計は良好。しかし、ドル/円は110円に届かず
経済指標過去データは楽天証券サイトにてご確認ください。 出所:楽天証券作成

◎天気の判定基準とは?


天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。


・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。


・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。


・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。


※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。


※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。差引3.08円の円高(2017年末に比べて)でした。


(荒地 潤)