本日のレンジ予測

[本日のドル/円]上値メドは104.75下値メドは103.10

今朝の天気マークは「くもり」


※天気の判定基準は記事末尾にあります

ポンドの乱高下、今年いっぱい続きそう


 14日週明けの東京市場の朝に、ポンドが急上昇。
英国とEU(欧州連合)がブレグジットを巡る貿易交渉を継続することで合意したのが理由。英国のジョンソン首相が、合意なき離脱の道を選ぶという見方も少なからずあったなかで、最悪の事態を避けられたという安堵感がポンド買いにつながりました。


 この日ポンド/円は、先週金曜日(11日)の終値(137.63円)から1.30円高い138.93円でオープン。欧州時間にも上値を伸ばして139.43円をつけました。11日の安値136.79円から1営業日で2.64円の上昇。


 英国ではコロナ感染が広がるなかで、政府の対応失敗(Go To Eatで感染者急増)もあって、ロンドンが厳しい移動制限下に置かれるなど深刻な状況。さらに今ここでEU離脱を決行して「経済を崩壊させた首相」と非難されるよりは、合意なき離脱を主張する国内の強硬離脱派をなだめたほうが、政治的に正しいとの計算が働いているのかもしれません。交渉期限は決まっていませんが、クリスマス前までには決着するとの見方です。


乱高下のポンド「その通貨、凶暴につき」  なぜ、英国は「合意なき離脱」に進むのか?
出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値 

乱高下のポンド「その通貨、凶暴につき」  なぜ、英国は「合意なき離脱」に進むのか?
出所:楽天証券が作成

14日のドル/円のNY市場終値は104.02円

 前営業日の終値比▲0.02円だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。


今日の注目通貨

ポンド/円: The Long And Winding Road

 英国とEUのブレグジットを巡る通商交渉で、一番の課題となっているのは漁業権。つまるところフィッシュ&チップスの販売権はどちらにあるかということですが、この問題の根は深く、英国の漁業関係者は長年、EUのCFP(共通漁業政策)に対して不満を持っていました。英国をブレグジットに突き動かした大きな原動力のひとつであり、2016年の国民投票では漁業従事者の92%が離脱派。ジョンソン首相にとっては大事な支持基盤でもあるので、簡単に譲歩はできないのです。


 交渉は継続ですが、果たしてジョンソン首相は本当に合意したいのか?ジョンソン氏はEU離脱をスローガンに掲げて首相になった人物なので、交渉失敗は政治生命の終わりを意味します。


 ジョンソン首相にとっては、中途半端に妥協するよりは、むしろ決裂させてその責任を全てEUになすりつけてしまったほうが、国内の支持は得られるでしょう。ところが問題は英国経済へのダメージ。

経済を崩壊させたら、ジョンソン首相は非難されます。逆にいえば、経済が立ち直ってくれたら、大手を振ってブレグジットできる。英国が他国に先駆けてワクチン接種を始めたのは、このような理由もあると考えます。


ポンド/円:今週の予想レンジは 134.55円 から141.65円

 今週のポンド/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は138.10円。138.10円より上ならばポンド買い優勢、138.10円より下ならばポンド売り優勢。


◎天気の判定基準とは?


天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。


・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。


・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。


・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。


※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。


(荒地 潤)