ドル/円の4月のレンジ幅は10.60円。1月から3月の平均レンジ幅と比べると、2倍近くの値動きがありました。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは142.85円↓下値メドは141.90円政治経済:「経済ナショナリズム」は、経済がうまくいかないことを全て外国人のせいにする考えで、政治家にとって最も魅力的な選択肢の一つである
FRB:トランプ政権を刺激しないよう細心の注意を払いながら先回りした政策に切り替える
ECB利下げ:政策金利を2.0%以下にすることを示唆
中国経済:中国政府は成長目標5%を維持。財政赤字GDPの4%に引き上げ
米利下げ:パウエル議長「求人数の減少が利下げ理由の一つ」
前日の市況
ドル/円相場は不安定な動きが続いている。先週末に144円をワンタッチするまで円安になったが、週明けには逆に141円台まで下げた。
トランプ大統領は4月3日、米国に輸入される自動車に25%の追加関税を発動して、これが4月乱高下相場(ドル/円の4月のレンジ幅は10.60円)の幕開けとなったのだが、29日には米国内で自動車を生産するメーカーを対象に、輸入する自動車部品に課される関税について負担を軽減する措置をとると発表した。これを受けて29日のドル/円は買い戻された。
しかし、ドル売りの流れを変えるほどではなかった。戻りはショート積み増しのチャンスとみているようだ。通常月末はドル需要の影響で上昇する傾向があるが、今回はその動きもあまり見られない。ドル売りが続いていることを示唆している。ドル/円も143円台には戻れずにいる。

4月29日(火曜)のドル/円相場の終値は142.37円。前日終値比0.37円の「円安」だった。
2025年85営業日目は142.00円からスタート。東京時間夜遅くにこの日の高値142.76円をつけた。高値が143円台に届かなかったのは1週間ぶり。
未明には142円を割り先週28日の安値(141.98円)をわずかに切り下げて141.97円まで下落した。もっとも141円台のドル買いに出合ってその後は142円台に戻した。24時間のレンジ幅は0.79円。

2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング Genie in a Bottle
今日の一言
仕事のストレスを減らすには、休暇を取るより仕事の量を減らすほうがずっと効果的だ。休暇は1週間程度のものだが、仕事を減らすのは1年365日有効である
Genie in a Bottle
FRB(米連邦準備制度理事会)は来週5月6日、7日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開催する。トランプ大統領は、パウエルFRB議長解任をちらつかせながらFRBに利下げを迫っている。
FRBは、インフレ率低下を示す明らかな証拠がない状況で利下げはできないと繰り返し述べている。今月発表された米国の3月のCPI(消費者物価指数)は、前年比で上昇率が2.4%となり、2カ月連続で伸びが鈍化した。これは利下げのゴーサインになるだろうか。
しかし内訳を見ると不穏な要素が多い。特にPCや携帯電話の価格が上昇していることには注目だ。
FRBでは、中立金利の水準が議論となっている。中立金利とは、経済が過熱も冷えすぎもしない状態の実質金利のことであるが、この水準がFRBの推計よりも高くなっているとすれば、現在のFF(フェデラルファンド)金利は、それほど引締め的とはいえない。トランプ政権の政策がインフレ方向に影響する可能性が高い中で、FRBが利下げを急ぐ理由はない。
BLS(米労働省)が今週発表する雇用統計では、4月のNFP(非農業部門)の就業者数は13.3万人の増加にとどまると予想されている(3月は22.8万人)。これまで成長トレンドを上回る勢いで伸びてきた雇用市場だが、そろそろブレーキがかかってきたようだ。

しかし、重要なのはフローよりもストックだ。新型コロナ終息後に見られた爆発的な雇用拡大がピークを過ぎて、就業者の増加数(フロー)が鈍化しても、それがすなわち景気後退を意味するわけではない。家計に蓄積(ストック)された貯蓄とそれに支えられた個人消費を考慮する必要があるのだ。
失業の心配が少ないことは、実質所得の増加が不確実な将来に対する保険としての貯蓄よりも、消費に向けられることを意味する。
今週の注目経済指標

タイムゾーン 分析

(荒地 潤)