AIと半導体の進化が企業活動とわれわれの日常を急速に変化させています。次の5年間は生成AIの商用化、AI対応インフラの整備が鍵を握るといわれています。
生成AIと半導体が開く生産性革命
ヒューマノイド(人型ロボット)が労働力の一員に
自動車が個人の移動手段を変えたのと同様に、ヒューマノイドは肉体労働を一変させる可能性があります。AIとコンピューティング・ハードウエアの飛躍的進歩によって、ヒューマノイドの活用は加速しています。
このようなロボットは必ずしも労働者の代わりになるわけではなく、人間と共に働き、単調で作業負荷の高い仕事を肩代わりします。今後ロボットは、24時間365日働き、変化する環境に適応、データを通じて継続的に改善することもできるようになります。
現在、テスラのような潤沢な資金を持つ大企業や、ロボット開発スタートアップ企業がこぞって、多機能なヒューマノイドを2026年までに売り出すことを目指し、競い合っています。米国の労働市場は、2033年までに200万人近い労働者不足に直面すると予想されており、この技術が急速に必要となる可能性があります。
■実現を支えるテーマ:ロボット
■関連ETF: グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF(2638)
グローバルX ロボット&AI・ETF(BOTZ)

AIエージェントがソフトウエアを変革
企業のAI導入が加速し始めています。米国企業の71%以上がすでに生成AIを活用しており、商業化が急速に進んでいます。OpenAIだけで売上高は2025年までに130億ドル(約2兆円)、2030年までに1,750億ドル(約26兆円)に達する見込みです。
しかし、その真の価値は、AIエージェントの普及によって明らかになると考えられます。これまでのAIは、人間が命令を出すたびに反応するものが主流でした。
しかしAIエージェントは、一度目標を設定すれば自分でタスクを分解し、必要な情報を集めて判断しながら作業を進めてくれます。従来型のソフトウエアに破壊的変化をもたらし、生産性を大幅に高める可能性を秘めています。
2030年までに、AIの世界における経済規模は最大15.7兆ドル(約2,300兆円)押し上げ、これは世界国内総生産(GDP)の約13%に相当する可能性があります。
■実現を支えるテーマ:AI、半導体
■関連ETF: グローバルX AI&ビッグデータ ETF(223A)
グローバルX AI&ビッグデータ ETF(AIQ)
グローバルX 半導体 ETF(2243)
グローバルX 半導体関連-日本株式 ETF(2644)

AI普及による電力需給の急増
これまでのデータセンターはウェブサイトやクラウドの保存向けに設計されていましたが、AIはそれよりずっと多くの電力を使うため、データセンターの設計を大幅に見直す必要があります。
現在はAI向けサーバーの割合は小さいですが、2030年には20%以上に増える見込みで、それに伴い消費電力とコストが急増します。AI用のサーバーは多数のGPUを常時稼働させるため、強力な冷却と多大な電力を必要とします。
2030年にはAIデータセンター向けの電力消費が現在の約2倍になり、国全体の消費と同程度となる可能性があります。米国では全電力の約10%がデータセンターで使われる見込みです。従って、安定して安価な電力が得られる国や地域は、AIインフラの構築と技術競争で有利になります。
■実現を支えるテーマ:ウラン・原子力発電
■関連ETF: グローバルX ウラニウムビジネス ETF(224A)
グローバルX ウラニウム ETF(URA)

AI搭載ドローンと防衛産業の新潮流
戦場の前線を一変させるドローン技術
現代の紛争では、ドローンは支援的な役割から中心的な役割へと変わってきています。ウクライナでは、低コストの小型ドローンや長距離無人航空機(UAV)などの戦術ドローンが、国際的な舞台でその戦略的な効果を初めて明確に示しました。
これらのドローンは、従来の手段に比べてはるかに低いコストで、装甲部隊の進撃を妨害したり、リアルタイムで敵の位置を監視したり、精密な攻撃を行ったりすることが可能です。
世界の軍用ドローン市場は、ドローン・スウォーム(複数のドローンによる集団運用)や自律制御技術(人が直接操作しなくても自動で任務を遂行する技術)への需要が続くことで、2030年までに現在の約2倍の400億ドル超に達する可能性があります。低コストであることが普及を後押ししており、ドローン技術へのAI統合も急速に進展しています。
これにより、リアルタイムの物体検出や自律的な意思決定が実戦で有効に機能するようになっています。その結果、2030年までにドローンが攻撃任務を主導するようになり、ドローンを大量に生産・配備できる国家や非国家主体に、勢力のバランスが傾く可能性があります。
■実現を支えるテーマ:防衛技術
■関連ETF: グローバルX 防衛テック ETF(SHLD)

移動の自動化:ロボタクシーが変える都市と物流の風景
ロボタクシーが実用化段階に到達
移動手段は、ここ5年で急速に変化しています。ロボタクシーは人間の運転手よりエラー率が低く、早期導入地域では普及が進んでおり、収益性も期待されています。
Alphabet傘下の自動運転車開発企業のウェイモは米国内の3都市で運行しており、2020年に開始した有料乗車数が2025年には週25万件に達しています。テスラも2025年にテキサス州オースティンなどでロボタクシーを開始しました。米国では、2030年までに自動運転タクシーが50万台稼働し、既存タクシー台数の約30%を占める可能性があります。
長距離トラックの分野では、2030年に約16万人のドライバー不足が見込まれており、自動運転トラックを手がけるオーロラやコディアックといった企業にとって、高速輸送分野への参入機会が生じています。また、ロボットやドローンによる配送が進むことで、コスト削減も進む見込みです。
■実現を支えるテーマ:自動運転車
■関連ETF: グローバルX 自動運転&EV ETF(2867)
グローバルX 自動運転&EV ETF(DRIV)
まとめ:今後もイノベーションが投資を促進
過去5年間で、テクノロジーは大きく進歩しました。AIアシスタント、ドローン技術、自動運転車など、かつては最先端分野のアイデアにすぎなかった技術が、今は世界経済の中心部に積極的に入り込み、産業分野の破壊的変化、ビジネスモデルの変革、消費者行動の変容を促すまでになりました。
投資家にとって、先を見越すためには、単に変革を理解するだけでなく、実現可能性やスピード、技術の影響力の限界に関する既存の考え方を見直す必要があります。
<ご参考>
当記事は米国Global Xが執筆したリサーチ&レポート『 変化の10年:過去5年間のテクノロジーの進化と今後5年間に向けた大胆な予測 』をGlobal X Japanが要約したものです。
<投資リスク>
当ファンドは、値動きのある有価証券等に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、投資元本が保証されているものではなく、これを割込むことがあります。
<ファンドの費用>
ETFの市場での売買には、証券会社が独自に定める売買委託手数料がかかり、約定金額とは別にご負担いただきます。(取扱会社証券会社ごとに手数料率が異なりますので、その上限額を表示することができません。)保有期間中に間接的にご負担いただく費用として運用管理費用(信託報酬)がかかります。グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETFは0.6490%、グローバルX AI&ビッグデータ ETFは0.7075%程度、グローバルX 半導体 ETFは0.4125%、グローバルX 半導体関連-日本株式 ETFは0.6490%、グローバルX ウラニウムビジネス ETFは率0.7175%(税込)、グローバルX 自動運転&EV ETFは0.704%の運用管理費用(税込)です。また、その他の費用・手数料としては、組入有価証券売買時の売買委託手数料、先物取引・オプション取引等に要する費用、監査報酬等を信託財産でご負担いただきます。※「その他の費用・手数料」については、運用状況等により変動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。
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