「教育資金は子供1人につき1,000万円」という高い目標を掲げ、社債や保険を巧みに組み合わせて着実に歩み始めた元証券ウーマンのさぶさん。現在はフルタイム勤務と並行し家族の総資産を5,000万円超まで成長させています。
さぶさんプロフィール
▼さぶさん年表
6年前の目的はほぼ達成!教育資金は1,200万円に到達
トウシル:さぶさん、お久しぶりです! 2020年の初回取材から早いもので6年がたちました。
さぶさん:お久しぶりです! 本当に早いものですね。
トウシル:さぶさんのプロフィールを改めて拝見すると、野村証券に入社して初めて自社の株を買ったところから始まり、退職後のFXでの挫折、そしてお子さんの誕生を機に資産形成を再開されるなど、濃密な経験を積んでこられました。現在は証券会社を退職され、新しい会社にて、管理職としてもご活躍中とのこと。本当にお忙しそうです。
さぶさん:確かに毎日忙しいです! でも、早くから「自分なりの戦略」を立てて仕組み化していたおかげで、毎日が充実しています!
トウシル:前回のインタビューでは「教育資金を子供1人につき1,000万円、2人で2,000万円ためる」という具体的な目標を掲げられていました。当時は社債や学資保険を中心にした、着実な運用を重視されていましたよね。現在の状況はいかがでしょうか。
さぶさん:非常に順調に進んでいます。手元の現金や株式などを合わせると、教育資金用の準備は1,200万円まで到達しました。これに加えて、すでに払い込みが完了している学資保険を合わせると、実質的には1,400万円相当の準備ができていることになります。
目標の2,000万円に対して達成率は約80%です。このままの調子でいけば、大学受験のタイミングまでには無理なく達成できるというめどが立っています。
トウシル:お子さんがまだ小さいうちに達成率80%というのは、素晴らしい数字ですね! 計画通りに進んでいるように見えますが、最近になって何か変化を感じることはありますか。
さぶさん:最近、一番上の子が「中学受験をしたい」と言い出したのが大きな変化ですね。これは正直、私にとっては想定外の出来事でした。1,000万円あれば十分に足りるだろうと考えていたのですが、月謝に季節ごとの特別講習費用と、塾の費用はなかなかの負担になります。こうした予想外のことが次々と起こるのが子育ての常なのだなと、改めて実感しています。
トウシル:そのような急な環境の変化に対しても、冷静に向き合えているのはなぜでしょうか。
さぶさん:やはり、早くからお金の準備を始めていたことで、心に余裕が生まれているからだと思います。たとえ急な出費があったとしても、それを受け止めるだけの土台がすでにできています。
何より、お金のことを心配せずに子供に「教育の選択肢」を与えられるというのは、親としてとてもうれしいことだと感じています。私自身も、若い頃は実家へ妹の学費を仕送りするなど、お金の面で苦労をしてきましたので、自分の子供には納得のいく道を選ばせてあげたいと考えています。
「困るのはママじゃない」自立心を育てる、さぶ流・家庭教育
トウシル:3月に出版された著書『ママのお金と時間の「ゆる習慣」元証券ウーマンが伝えたい暮らしのコツ70』の中でも、お子さんへの接し方について非常に興味深いエピソードが書かれていましたね。金銭教育についても、かなり早い段階から取り組まれているそうですが。
さぶさん:そうですね、お金の大切さについては日常的に伝えています。
その分「これだけのお金をかけて準備をしているのだから、塾での勉強もしっかり頑張ろうね」というふうに、本人の自覚を促す良いきっかけになっています。
トウシル:お子さんもその言葉をしっかりと受け止めていらっしゃるのですね。
さぶさん:ありがたいことに、子供自身が「習い事を辞めてでも中学受験をしたい」と言ったり、「旅行に行く時間を削ってでも講習に行きたい」と言ってくれたりするようになりました。
本にも書きましたが、私は「あなたがやらなくても困るのはママじゃないよ」というスタンスを貫いています。宿題を忘れて困るのも、忘れ物をして恥ずかしい思いをするのも、それは自分自身の問題です。子供を突き放すわけではありませんが、自分の義務を果たしてこそ権利が得られるという仕組みを、幼い頃から少しずつ教えてきました。
トウシル:0歳から3歳くらいの、親にとって最も手が掛かる時期にその「型」を仕込んできたことが、お子さんの自立とさぶさんの負担軽減につながっているのでしょうね。
さぶさん:その通りだと思います。「子供にはYouTubeを見せておけば楽だよ」とは言われてきたのですが、そこをグッとこらえて「自立」のための教育をしてきました。今も子供たちにはYouTubeを見せていません。過去の私から今の私への「時間の仕送り」になっていると感じています。
1年で株式資産1,000万円増。「米国株×大型株×ほったらかし」の力
トウシル:それでは、運用の中身についても詳しく伺いたいと思います。ズバリ、現在の資産額はおいくらになったんでしょうか?
さぶさん:直近では、家族全員の分を合わせれば5,000万円を超えました。
トウシル:すごい! 6年前は社債をメインに据えたポートフォリオだったと思いますが、現在は構成が変わったのでしょうか?
さぶさん:以前はマイナス金利の影響もあり、社債はとても良い選択肢でしたが、金利環境が変わった今は追加での購入はしていません。基本的にはホールドしていますが、満期が来たものや解約した分については、新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)や個別株の方へと資金を移しています。
現在のポートフォリオは、株式が約60%、投資信託が15%、債券が10%、そして残りが現金という割合になっています。
トウシル:株式の比率がかなり高いですね。これは戦略的に買い増しした結果なのでしょうか。
さぶさん:実を言うと、自分で必死に資金を増やしたというよりは、相場が良かったおかげで「自動的に資産が膨らんだ」という感覚に近いですね。この1年ほどで、保有している株式の価値が1,000万円近くも増えました。これには私自身も驚いています。
トウシル:1年で1,000万円の増加というのは、驚異的な数字ですね。
さぶさん:特に米国株の成長が大きかったです。私はハイテク株が好きなので、初期の頃からアルファベット(GOOGL、GOOG)やアップル(AAPL)を保有していました。
加えて、ボトックスを手がけるアラガンを買収したアッヴィ(ABBV)なども積み立てています。最近ではエヌビディア(NVDA)もポートフォリオに加えましたが、基本的には淡々と積み立てを継続しています。
トウシル:日本株については、どのような基準で選んでいるのでしょうか。
さぶさん:日本株は「高配当」と「株主優待」を軸にしています。丸亀製麺を展開するトリドールホールディングス(3397)や、配当利回りが魅力的な商船三井(9104)などの船株が好きですね。
投資先を選ぶ際は、10年後もそのサービスが残っているかどうか、そして誰もが知っているような大型株であることを大切にしています。小型株にはもう手を出さないですね。Twitter(現:X)を見て衝動的に購入して、あっという間に5万円ほど失ったことがありますので(笑)。
トウシル:管理職として働きながら、これだけの資産を管理するのは大変な労力が必要に思えますが、日々の管理はどうされているのですか。
さぶさん:ほとんど何もせず、基本はほったらかしです。仕事も忙しいですし、子供の送り迎えなどもありますので、株価をこまめにチェックする暇がないのです。でも、その「構っていられない」状況が、結果としてろうばい売りを防ぎ、長期保有を可能にしてくれました。
SNSでは日々刺激的な情報が流れてきますが、そうしたものに振り回されず、自分の決めた「型」を信じてほったらかしておくことが、私にとっては一番の成功の秘訣(ひけつ)だと考えています。
トウシル:新NISAが始まってから、運用のスタイルに変化はありましたか。
さぶさん:新NISAについては、夫婦それぞれの名義を「家族全員の資産を増やすための大きな箱」として捉え直し、計画的に枠を使い切るようにしています。成長投資枠で自分の好きな個別株をしっかり購入し、残りの枠で投資信託を積み立てるという形にしています。
トウシル:お子さんの名義での運用については、どのように考えていらっしゃいますか。
さぶさん:ジュニアNISAは制度が終了する前に駆け込みで口座開設しました。教育資金自体はすでに私の口座で確保していますので、子供の名義の口座は、お年玉などを原資にして「自分でお金を増やしてみる体験」をさせる場所にするつもりです。また2027年の「こどもNISA」が始まったら、そちらも活用していきたいですね。
トウシル:親が全てをお膳立てするのではなく、子供自身に実践させるわけですね。
さぶさん:そうです。私が「スーパーマーケットと歯ブラシの会社、どっちを応援したい?」と聞いて、子供が「ママはよくスーパーに行くから、スーパーの方がいいんじゃない?」と答えるなど、日常的な会話を楽しみながら、投資を身近に感じさせる機会をつくっています。自分自身で選択し、その結果に責任を持つという経験は、将来必ず役に立つはずだと信じています。
トウシル:資産5,000万円という大きな壁を突破してもなお、地に足の着いた「ゆる習慣」を大切にされるさぶさん。前編では、環境の変化への柔軟な対応と、大きな資産増加を支えた投資哲学について伺いました。続く後編では、パートナーと同じ目標を見るための工夫や、60歳までに資産1億円を目指すという壮大なライフプランについて、さらに深くお話を伺っていきます。
▼後編はこちら
浪費家夫婦から総資産5,000万円へ。さぶさんが実践した「同じ未来を見る」家計づくり:元証券ウーマン・さぶさんインタビュー後編
(トウシル編集チーム)

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