主観視点による「3DダンジョンRPG」というジャンルは、『ウィザードリィ』という偉大な先駆者の活躍で広く浸透し、今も多くのプレイヤーを魅了しています。

危険に満ちたダンジョンに挑むシチュエーションになるため、ゲーム性も手ごわいものが多く、プレイヤーを選ぶ一面もありますが、ハマれば時間を忘れるほどの没入感を与えてくれます。


直近の5月28日にも、新たなダンジョンRPGとなる『デモンキルデモン ~黄泉1984~』が、ニンテンドースイッチソフト向けに発売されました。本作をリリースしたエクスペリエンスは、これまでも様々な3DダンジョンRPGを手がけており、本作にも大きな期待が寄せられています。

『デモンキルデモン ~黄泉1984~』も気になるところですが、スイッチで遊べる3DダンジョンRPGはこのほかにも数多くあります。スイッチでどんな作品が遊べるのか、特におすすめしたい4本を厳選して紹介します。

中には、『デモンキルデモン ~黄泉1984~』をプレイする前に遊んでほしい作品もあるので、どうぞお見逃しなく。

■『世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTER』
『世界樹の迷宮』シリーズは、ニンテンドーDSと3DSで長く活躍し、携帯ゲームを代表する3DダンジョンRPGとして名を馳せました。

キャラクターデザインは可愛く、ダンジョンに潜む敵は手応え満点で、帰還手段のアイテムは盗まれ、編成の自由度は高く、試行錯誤しながら挑むボス戦と、冒険を彩る多彩な要素を悲喜こもごもにたっぷりと味わえるシリーズです。

その中でも特に、『世界樹の迷宮』シリーズの独自性として注目を集めたのが、“自分の手で地図を描く”というゲームシステムです。オートマッピングのRPGも多い中、本シリーズはタッチペンによる手書き操作で、ダンジョンの構造や階段の位置などを直接書き込みます。

コンピュータRPGは、プレイヤーの負担を省く形で進化する場合が多く、オートマッピングもそのひとつでした。しかし、『世界樹の迷宮』シリーズが提案した「手書きマッピング」は、危険なダンジョンを自らの手で解明していく達成感や、自分だけの地図を生み出すという満足感をプレイヤーに与え、新たな楽しさを生み出すことに成功したのです。

DSと3DSは、2画面で構成された携帯ゲーム機でした。
その機能を活かし、3Dダンジョンの視点は上の画面、手書きマッピングは下の画面に割り振ることで、「手書きマッピング」という大胆な提案が実現しました。

ダンジョンRPGとして骨太な作りと、「手書きマッピング」と独自性を併せ持つ『世界樹の迷宮』シリーズは、3DSの引退と共に姿を消すのかと危ぶまれましたが、DS時代に登場した黎明期の3作品をリマスター化した『世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTER』が、ニンテンドースイッチ向けに登場。かつての名作が、現行機向けに蘇りました。

リマスター化でも「手書きマッピング」は継承され、今もその独自性は失われていません。一方で、「難易度選択」や「オートマッピング機能」といった便利な機能も搭載されており、難易度の高さで敬遠していたユーザーにとっても、遊びやすい作品になっています。

パッケージ版は3作品がセットになっていますが、ダウンロード版なら『世界樹の迷宮 HD REMASTER』、『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯 HD REMASTER』、『世界樹の迷宮III 星海の来訪者 HD REMASTER』を、それぞれ単品でも購入できます。

■『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』
日本一ソフトウェアといえば、『魔界戦記ディスガイア』に『流行り神』など、シミュレーションRPG、ADV、アクションRPGと幅広いジャンルを手がけてるメーカーです。そのため、3DダンジョンRPGと言われてもピンと来ない人もいることでしょう。

しかし、同社がリリースした『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』は、日本一ソフトウェアのファンのみならず、ダンジョンRPG好きにも響く名作として高く評価されました。

プレイヤーは、主人である魔女のドロニアが所持する書物となり、魔法によって使役される「人形兵」を率いて地下迷宮へと挑みます。しかも、率いる人形兵の数は40体にも及び、大所帯のパーティを率いる醍醐味を味わえるのも『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』の魅力でしょう。

戦闘は基本的に、各人形兵をセットした「カブン」と呼ばれるグループに指示を出す形なので、「40体も率いるのは、操作が煩雑になるのでは?」と心配する必要はありません。


一方で、人形兵にはそれぞれ特徴があり、編成次第で戦い方も変化します。自分ならではの編成を見つけ、構築し、実際に試すというサイクルは、ゲーム進行のダンジョン攻略と相まって、プレイにメリハリと遊び応えを与えてくれます。

そして、特徴的なゲームシステムに支えられたダンジョン攻略が楽しいのはもちろんのこと、『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』は物語面の魅力も大きく、先を予想させない濃厚なストーリー展開は、ダンジョン攻略の見返りとしても十分すぎるほどです。

物語についてはネタバレを避けるため言及を控えますが、細やかな伏線の数々が回収される手腕も見事で、ゲーム性と物語の両方を楽しみたい人にはうってつけの作品といえます。ただし、傾向としてはかなりダークなので、相性が合うかどうかは十分ご注意ください。

■『黄泉ヲ裂ク華』
冒頭で『デモンキルデモン ~黄泉1984~』について軽く触れましたが、同じくエクスペリエンスが手がけた『黄泉ヲ裂ク華』も、今回おすすめしたい作品のひとつです。

この2作品は世界観を共有しており、『黄泉ヲ裂ク華』の時間軸は『デモンキルデモン ~黄泉1984~』の5年前になるため、まず『黄泉ヲ裂ク華』から遊ぶと、ゲームシステムの進化や物語の展開などをより深く味わえます。

『黄泉ヲ裂ク華』は背景もユニークで、1979年の東京が物語の舞台となります。現代劇のダンジョンRPGはいくつもありますが、昭和の現代日本という組み合わせは稀有です。

しかも、東京都に突如出現した巨大構造体「黄泉」に眠る資源採掘のため、危険生物が巣食う黄泉内部に足を踏み入れる「地下探行士」たちの物語──と聞けば、そこはかとなく漂うディストピアさを感じ取れる人も多いはず。

また、作中に登場する人物も「主人公が務める零細企業の社長」や「異世界の技術を調査する機械少女」「迷宮事故で唯一生き残り、心を閉ざす生存者」など、いずれも一癖ありそうな面々ばかり。そして主人公の立場も、冒険者や勇者ではなく、零細企業のいち社員。
栄誉や賞賛ではなく、企業戦士の職務としてダンジョンに挑みます。

一周回ってユニークさも感じられる世界観は、そのまま没入感を促す強烈な個性としてプレイヤーを満足させてくれます。一方、ゲーム性の主軸であるダンジョン攻略は、一転して骨太な戦いの連続です。

ただし、バトル自体の難易度は決して易しくはないものの、「ダンジョン攻略」自体のストレスを軽減させる仕組みが細かく用意されており、決して初心者お断りのゲームではありません。

特に「マモノの花」は、ストレス軽減の代表的な存在といえます。「マモノの花」を設置すると、宝箱を持った敵と必ず遭遇することができるため、「アイテムドロップを狙って、ダンジョンの中を延々と歩き続ける」というダンジョンRPGお馴染みの行程を一気に省略できます。

「マモノの花」は拠点に戻ると復活するため、何度もチャレンジ可能。このシステムのおかげで、「探索」と「戦力増強」にそれぞれ打ち込めるため、気持ちのいいプレイが終始続きます。ちなみに、「花」(総称は「黄泉の花」)はこのほかにも様々あり、どれもゲーム進行を助けてくれるものばかりです。

伝統的なダンジョンRPGの面白さを詰め込みつつ、個性的な設定と遊びやすいデザインでまとめ上げた『黄泉ヲ裂ク華』は、発売当初から人気が高く、中古市場でも長く高値で安定していた名作です。価格改定されたため、今はパッケージ版、DL版ともにお手頃な価格で手に入るのでご安心ください。

ちなみにDL版なら、シナリオのクリアまで遊べる『黄泉ヲ裂ク華 お手軽版』だと、さらに安く購入できます。
また、クリアしてから「もっとも遊びたくなった」と思っても、後悔する必要はありません。クリア後コンテンツが遊べる『黄泉ヲ裂ク華 やり込みDLC』が販売中と、実に至れり尽くせりです。

■『ウィザードリィ外伝 五つの試練』
ダンジョンRPGというジャンルの源流を語る上で、『ウィザードリィ』シリーズは欠かせません。しかし、新旧様々な関連作があるため、どれを遊べばいいのかと途方に暮れてもおかしくないでしょう。そんな人におすすめしたいのが、スピンオフの中でも高評価を博した『ウィザードリィ外伝 五つの試練』です。

創り上げたキャラクターたちでパーティを構成し、危険な迷宮に足を踏み入れる。そして、戦闘を繰り返してレベルアップし、獲得した装備品で身を固め、更なる深層へと突き進む──『ウィザードリィ』の基本にして核となる楽しさは、この『ウィザードリィ外伝 五つの試練』にもしっかりと受け継がれています。

本作には、「偽りの代償」「旅人の財産」「満月王の子供達」「欠けた大地」「ガルヴァンの酢漬け男」「灼熱の車輪」といった6本のシナリオが収録されており、それぞれ十分な遊び応えがあります。この6本をクリアするだけでも、心ゆくまでダンジョン攻略が楽しめること請け合いです。

しかし、『ウィザードリィ外伝 五つの試練』の懐は非常に深く、これだけでは終わりません。世界のユーザーが自作した「ユーザーシナリオ」を、ダウンロードして遊ぶことができます。(※スイッチ版は「ユーザーシナリオ」の作成ができず、ダウンロードによるプレイのみ可能です)

あらかじめ収録されている6本のシナリオだけで満足しても、何ら問題はありません。
しかし、ダンジョン攻略への熱意が冷めやらぬなら、ユーザーの手で広がった「無数のダンジョン探索」が、あなたの訪れを待っています。

クリアできるほど強くなったパーティを更に強化する。そうしたスタイルもダンジョンRPGの楽しみ方のひとつですが、以前とは違うパーティ編成で挑んだり、偏った構成で攻略を試みるのも、また別の楽しみ方でしょう。

そうした新たなチャレンジを、毎回違うシナリオで楽しめるのは、豊富なユーザーシナリオに支えられた『ウィザードリィ外伝 五つの試練』ならではの醍醐味です。果てなき冒険に挑むという至福の味わいを、本作で心ゆくまでご堪能ください。

今回は、スイッチで遊べる3DダンジョンRPGの中から厳選した4本をお届けしました。このほかにも、『剣と魔法と学園モノ。』シリーズや、『両手いっぱいの芋の花を』など、おすすめしたい作品は枚挙に暇がないほどです。

また、『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』と『黄泉ヲ裂ク華』は、マイニンンテンドーストアだけでなくPS Storeでも購入できるため、遊びたいハードに合わせてお選びください。『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』が面白かった人は、続編の『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団』もおすすめです。
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