コロナ禍を受け、JR東日本の新幹線、在来線特急などで車内販売が中止されます。前回は再開されましたが、今回はどうなるのでしょうか。
コロナ禍を受け首都圏などに2回目の緊急事態宣言が出されるなか、JR東日本が2021年1月13日(水)、新幹線や在来線特急などでの車内販売を1月16日(土)から中止すると発表しました。新型コロナウイルス感染拡大を防止するのが目的で、期間は当面のあいだとのこと。
これを受けネット上では、「このまま車内販売はなくなるのでは」といった声も目立つようです。
鉄道博物館の展示車両で再現されている国鉄時代の車内販売(恵 知仁撮影)。
2021年3月13日(土)のダイヤ改正にともない、車内販売を終える予定だった在来線特急「いなほ」「かいじ」については、1月16日(土)に中止されたのち、そのまま終了になる可能性も少なくないでしょう。
ただ、2020年4月と5月に1回目の緊急事態宣言が出された際は、JR東日本は同様に車内販売を中止しましたが、緊急事態宣言が全国で解除された6月以降に順次再開されています。当初は5月31日まで中止予定だったところ、5月中旬に当面のあいだ中止になり、6月以降に順次再開、という流れです。
今回も再開されるのか? 以前と同じではない状況しかしその後、コロナ禍は長期化し、鉄道会社の現状は大きく変わってしまいました。
列車の車内販売は、駅売店の充実などを背景にコロナ禍以前から縮小傾向で、JR東日本では弁当や軽食、デザート、お土産、雑貨類の取り扱いを2019年に中止。また2021年3月13日(土)のダイヤ改正にともない、北陸新幹線「かがやき」「はくたか」の一部列車で、車内販売が終了する予定です。
また小田急の特急「ロマンスカー」における車内販売も、2021年3月12日(金)で終了します(新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年1月8日から中止中)。

「グランクラス」のサービスも中止される(恵 知仁撮影)。
JR北海道は2019年2月いっぱいで車内販売を終了する際、コンビニやペットボトルなどの普及で車内販売の利用が年々減少傾向であること、事業として赤字を解消できないこと、人材確保が困難であることを挙げました。
コロナ禍が長期化し今後も見通せず、大きな打撃を受けている鉄道会社が、そうした車内販売について去年と同じ判断をするとは限らない、このままなくなるのかも……と考えることを、「杞憂」とするのは難しいかもしれません。
コロナ禍で終電の前倒しなど全体的に収縮していくなか、課題があった車内販売がそのまま復活するのか、縮小される形でも復活するのか、それとも……。
心配する声が多いのはファンが多いことでもあるでしょうし、列車の利便性や旅の魅力を高めるものでもあるのも確かです。とはいえ、駅で買うほうが便利と思う人もいるでしょう。今後、車内販売はどうなっていくのでしょうか。
なお、東海道・山陽新幹線の車内販売は継続されています(山陽新幹線では酒類の販売なし)。
※誤字を修正しました(1月17日10時10分)。