新型コロナの影響による交通量の減少などにより、過去最大の赤字決算となった首都高。この先はオリパラ期間中の通行料金「昼間1000円上乗せ」や、上限料金の引き上げなどが控えています。

今後の見通しを聞きました。

過去最大の赤字決算となった首都高

 首都高速道路は2021年6月11日(金)、2021年3月期決算について会見を開催しました。

 高速道路事業の営業収益は3575億円で、前年度と比べ33.1%の減少となりました。うち料金収入は2358億円で、前年度比10.5%減です。新型コロナの影響などにより、実際の交通量も同じく対前期比10.5%減となりました。

 なお、営業収益の減少は、前期(2020年3月)に横浜北西線などの引き渡しを実施したため、「道路資産完成高」が前期と比べ大きく減少したことが影響しています。

 関連事業も合わせた連結決算では、純損失45億円(前期比44億円減益)を計上しました。これは、2005(平成17)の設立以来、最大の赤字決算だそうです。

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夜の首都高のイメージ(画像:写真AC)。

 そうしたなか、首都高では今後、利用者の負担増にもつながる料金施策の実施が予定されています。

 まずひとつが、東京オリンピック・パラリンピック期間における「昼間(6~22時)1000円上乗せ」です。

 大会期間中、昼間に首都高の都内区間を利用するマイカーなどへ、一律1000円が加算されます(事業用車は除く)。

反対に、夜間(0~4時)は首都高全線で料金が5割引に(ETC車限定)。これにより昼間の混雑を緩和し、夜間利用を促します。

 ただ現在、世の中にはこの施策の必要性を疑問視する声も上がっています。

五輪の1000円上乗せも、上限料金の引き上げも「収支トントン」?

 こうした声に対し、首都高速道路 代表取締役執行役員の前田信弘さんは次のように話しました。

「首都高に期待されているのは、大会関係者を円滑に輸送することです。観客の輸送は公共交通機関が担います。これに鑑みても、大会を開催するとなれば(料金の上乗せは必要と考えています」

 もちろんオリパラの諸施策にあたり、首都高側にも負担が発生します。大会期間中に道路工事を抑制することなどのほか、料金上乗せなどのためのシステム開発費、また昼間の出控えや深夜の5割引なども減収要因とのこと。ただ、上乗せによる増収分と合わせ、収支はトントンになると見込んでいるそうです。

 そして2022年4月からは、「上限料金の引き上げ」も始まります。現在、首都高の上限料金は普通車で1320円であり、これ以上の距離を走っても料金は据え置かれます。この上限料金が、1950円まで引き上げられる予定です。

 当然、首都高にとっては増収要因になりますが、同時に運送・交通事業者向けの割引の拡充や、20%の「深夜割引」も導入されることから、やはり現時点では、収支はトントンになると見込んでいるとのこと。

五輪期間中の首都高1000円上乗せ「必要」 過去最大の赤字決算で語られた今後

会見の様子(中島洋平撮影)。

 しかしながら、「減収は補いたい」といいます。

 2020年4月、5月の交通量は3割減ったものの、『GoToキャンペーン』が行われていた同年9月から12月にかけては微減に留まったといいます。「オリパラが終わった時点でのコロナの情勢を見極めて、何か考えていきたい」(前田さん)ということです。

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