首都高C1都心環状線の機能を代替する新ルートの全貌が見えてきました。同時に、開通から約60年が経過した区間の大規模更新や、地域の再開発などが一気に進行。

黎明期の首都高を象徴する「道路のど真ん中の橋脚」もなくなります。

「川を埋め立てて造った首都高」の象徴

「橋脚注意」。首都高C1都心環状線の銀座周辺を走っていると、このような看板に出くわします。この区間は掘割で、上空にいくつもの跨道橋が架かっていますが、その一部の橋脚が首都高のど真ん中、車線と車線のあいだに立っています。

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都心環状線の車線間に立つ橋脚の例。旧楓川の弾正橋(ドラレコ画像)。

 なぜならば、この区間はかつて川底だったからです。ここを含む京橋~芝浦間(C1都心環状線~1号羽田線)は1962(昭和37)年12月、首都高最初の区間として開業しています。2年後のオリンピックに間に合わせるため、首都高は埋め立てられた楓川、築地川を活用して急ピッチで造られました。

「道路のど真ん中の橋脚」は、ある意味、首都高の歴史の象徴といえるものですが、それから約60年、これら橋脚が撤去される可能性が出てきました。

 2022年2月4日(金)、東京都が「東京都市計画道路 都市高速道路第1号線等の変更(素案)」を発表しました。現在進んでいるC1の日本橋区間(神田橋JCT~江戸橋JCT)地下化に関連して、八重洲線とC1を新たにつなぎ環状道路としての機能を代替する地下路線「新京橋連結路」の具体的な建設計画のほか、C1と湾岸線をつなぐ晴海線の延伸(晴海~C1)についても方向性が打ち出されました。

 このなかで、新京橋連結路がC1に接続する箇所、具体的には旧築地川の新金橋~亀井橋について、その工事と同時に擁壁を更新し、線形を改良するとともに跨道橋を架け替えて車道内の橋脚を撤去、安全性を向上させることが明記されています。

銀座の首都高に「蓋」風景一変か

 旧築地川の区間は、老朽化に伴う「大規模更新」が必要とされていました。今回打ち出された計画はまだ素案ではあるものの、新路線の建設(新京橋連結路、晴海線)と大規模更新、そして地上部の街づくりとを相互に連携させ、複数の課題を一気に解消しようというものです。

 この「地上部の街づくりとの連携」という面で、C1は今後さらに大きく姿が変わる見込みです。というのも、地元の東京都中央区が、旧築地川を通る首都高C1に「蓋」をして、その上部を公園などにするという計画を打ち出しているからです。

 中央区に尋ねたところ、蓋をする区間は区役所そばの「三吉橋より南」を考えているとのこと。つまり、銀座周辺のC1の大部分は、トンネルのような区間になるかもしれないのです。蓋をする範囲は首都高速道路と今後調整していくといいます。

首都高の象徴「道路ど真ん中の橋脚」がなくなる日 都心環状線 銀座周辺は激変へ
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橋脚注意の看板。新富町付近(乗りものニュース編集部撮影)。

 なお新京橋連結路が接続する京橋周辺だけでなく、晴海線を接続させる方向で検討を進めるとされているC1の“銀座S字カーブ”付近についても、同時に線形改良を行うとされています。ネットワークの整備とともに、首都高の黎明期に造られたC1も走りやすくなりそうです。

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