東京新橋にタミヤのオフィシャル施設「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」がオープン。6000もの模型を販売していますが、なぜか「店舗」と呼ばず「施設」と呼びます。

田宮信央専務取締役に話を聞きました。

最終的には地元の模型店で買って欲しい!

 都内の新橋で、プラモデルメーカーであるタミヤのオフィシャル施設「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」が2024年5月24日にグランドオープンしました。

“プラモデルの壁”に圧倒!ぜんぶ買える!! タミヤ「東京の新...の画像はこちら >>

商品棚の中央が空間となっており、遠くまで見渡せる(乗りものニュース編集部撮影)。

 もともと新橋にあったオフィシャル店舗である「タミヤ プラモデルファクトリー 新橋店」をリニューアルした施設となりますが、あえて「店舗」と呼ばず「施設」としています。それは、新橋及び虎ノ門のビジネスマンに向けて、施設内のカフェなどを気軽に利用してもらいたいという狙いとのことですが、他にも大きな理由があるようです。

 5月23日に行われた内覧会に出席した田宮信央専務取締役は次のように話しました。

「ここで、模型に興味を持ってもらい、新しくファンになってもらったり、ファンの方にはもっとタミヤや模型を好きになってもらったりしたいです。そして、最終的には地元の模型店で買ってもらいたいと思っています」

 あくまでもこの施設はプラモデル(模型)やRC(ラジコン)に興味を持ってもらう目的が強いとのことです。

「新橋に通う方のなかには、昔ミニ四駆をやっていたという方も多いはずです。そういった方に『あ、もう1回やってみようか』という動機となれば、模型ファンも増えます」(田宮専務)
 
 さらに興味を持った人が、地元で友達や家族とプラモデルやRCを楽しんだり、その技術や情報などをシェアするコミュニティを作ったりして、需要を刺激することができるとのことです。

「模型を扱う店舗が減っているので、難しいかもしれませんが、馴染みの模型店を見つけてもらいたい。(タミヤは)やはり模型で食べているので、模型を売っている場所で買って欲しい」(信央専務)

 そのため、オフィシャルの施設が地元の模型店などの需要を奪わないよう、安売りなどはせず、「定価売り主義」を徹底するとのことでした。

子どもたちにもっと知ってもらいたい!

 白を基調とした施設は、大きな窓で外からも内部の様子が目立っています。さらに、商品を陳列する棚は、中央や下部に大きな空間があり、水平方向に“吹き抜け”となっています。実はこの吹き抜けこそ、プラモデルに今まで馴染みのなかった人、特に子どもを持つ親へのメッセージが込められているのだとか。

「黒を基調で秘密基地っぽく、というのもいいのですが、ご家族での利用も考え、白で清潔感があった明るい場所にしました。また、棚の吹き抜けや足元のスペースからは、すぐにお子さんがどこにいるのかが分かります。また、ベビーカーでも自由に行き来できるスロープや授乳室なども設置しています」(田宮専務)

“プラモデルの壁”に圧倒!ぜんぶ買える!! タミヤ「東京の新拠点」ナゾの吹き抜けに込めた思い
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施設内に展示されている1/1「アバンテ」(乗りものニュース編集部撮影)。

 こうした子どもへのアピールは、プラモデルの需要以外のものも生む可能性があります。

 模型店が全国的に多かった時代は、プラモデルなどを通じて、クルマや飛行機などの学びにつながり、テクノロジーや歴史に詳しくなる人も多かったといいます。田宮専務もモデラーの知識には驚かされることもあるということで「『模型はすごいんだぞ』というのをもっと子どもたちに広めたいですね」と明かしました。