渋滞の踏切、上り坂のT字路は「勘弁して」

 技術の進化とともに、MT車はすっかり少数派となってしまいました。近年は新車のMTモデルの販売数も減っており、自販連(日本自動車販売協会連合会)の統計によると、MT車は全体のわずか1~2%程度の割合しかありません。

【景色は綺麗だけど…】これが「MT車乗りが走りたくないスポット」です(写真で見る)

 それでも、自分で操る楽しみや、クルマとの一体感を強く感じられるのはMTの大きな魅力です。だからこそ、MT車のユーザーは根強く存在しているのでしょう。かくいう筆者(鈴木ケンイチ:モータージャーナリスト)もMT車の魅力にハマっているひとり。ずっとMTでオープンタイプの2シータースポーツに乗り続けています。

 しかし、光があれば影ができるように、MT車は楽しいだけではありません。MT車(とそのユーザー)には、どうしても苦手な動作と、それが多発する“MT殺し”な道路やシチュエーションが存在するのです。

 MT車乗りの誰もが嫌がるものとは、停止と発進を繰り返す渋滞と、坂道での発進でしょう。静止状態からの発進は、何十年とMT車に乗っていても疲れます。これを上り坂で繰り返す、となったら最悪。特に踏切や、上り坂の頂上にあるT字路での渋滞は「勘弁してほしい」と切に感じています。

 さらに言えば、オープンスポーツカーにとってはトンネルも空気が悪いので嫌な場所です。また、もし愛車に機械式LSD(スポーツ走行用の差動制限装置)を装着しているなら、ダラダラと曲がり続けるループ状の道路も不快なものでしょう。

LSD付きのクルマでゆっくり曲がると、「チャタリング」と呼ばれる振動や異音が発生するからです。

 関東近隣で具体的な例を挙げると、渋滞スポットとしても有名な栃木県の「日光いろは坂」などは代表的なスポットです。スムーズに流れているならともかく、渋滞の中、ヘアピンカーブと上り坂が延々と続くのは苦行です。

 また箱根の旧道も、空いていれば気持ちいいワインディングロードですが、渋滞が始まった途端、拷問のような道に早変わり。とにかく、混みそうな場合は近づかないようにしています。

首都高に存在する「最低最悪」なスポット

 さらに、首都高速にはもっと悪条件なスポットが存在します。それが大橋JCT、西新宿JCT、大黒JCTの3か所です。いずれもジャンクションですが、渋滞が多発するうえに、上り勾配のループ路という苦痛な条件が揃っています。

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MT車乗りが苦痛を感じるスポットや状況とは(画像:写真AC)

 なかでも、大橋JCTで山手トンネルから、3号渋谷線に向かって合流するケースは“最低最悪”と言っていいでしょう。渋滞のスタート地点は、空気が悪いトンネルの中。その先には、上り勾配の長いループ路が待ち受けています。

 何より大橋JCTは、前述の3スポットのなかでは断トツに渋滞が多く、激しい場所です。

また、最新はクルマの排ガスが随分クリーンになったとはいえ、そもそも山手トンネルは指折りの長大トンネルであり、とても空気が綺麗だとは言えません。もし近くに古いトラックなどがいる場合、気分の悪化はさらに加速します。

 さらに、渋滞中に坂道発進を繰り返すのも苦痛な状況です。幸いなことに、現在の筆者の愛車には、MT車でも上り坂で後ろにずり下がらない自動ブレーキ機能が付いていますが、かつて乗っていたクルマには付いていませんでした。当時は坂道発進のたびにサイドブレーキを引いては戻し、と繰り返していましたが、思い返すだけで面倒くさいです。

 加えて、以前の愛車には機械式のLSDも付いていました。大橋JCTなどで渋滞にあった際は、いつも「ごっつん、ごっつん」と、チャタリングによる大きな振動が発生して、不快な思いをしたものです。スポーツ走行には最高のアイテムですが、こうした低速のカーブでは“ダメ押し”の悪癖だと痛感しました。

 大橋JCT以外のスポット、例えば西新宿JCTは、真っすぐな上り坂がダラダラと続き、最後に急カーブというレイアウトです。チャタリングによる振動は比較的少ないですが、上り坂&渋滞のコンボが頻繁に発生するのが大問題です。また、大黒JCTは朝方に渋滞することが多く、カーブ自体は緩いものの上り坂であり、渋滞の距離が長いのが苦痛です。

 筆者はこうした苦痛な状況に陥らないよう、近ごろは渋滞の発生がわかった時点で、さっさと高速道路を降りるようにしています。

時間は余計にかかっても、面倒くささや気分の悪さを味わうよりマシだと思うからです。そもそも、MT車に乗っているのは、気分よく運転するためです。気分を害するような道は避けて走るのをおすすめします。

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