広島県呉市の「大和ミュージアム」(呉市海事歴史科学館)が、約1年2か月にわたる大規模改修工事を終え、2026年4月23日にリニューアルオープンします。
【大和型戦艦の建造にも影響!】戦艦「金剛」代艦デザインの立体化モデル(写真で見る)
2005年の開館以来、戦艦「大和」と呉の造船技術を伝えてきた同館にとって、開館20周年の節目に合わせた大刷新となります。
館内の象徴である10分の1スケールの戦艦「大和」模型は維持されますが、近年の潜水調査で明らかになった知見を反映し、細部に改修が施されました。たとえば、艦首の「菊の紋章」は、従来1.5m相当とされていましたが、実寸が約1mであったという調査結果に基づき、より正確なサイズのものに換装。さらに機銃の設置高さなども最新の考証に基づき変更されています。
展示の目玉のひとつとして、3階の科学技術展示室が一新されました。アメリカの施設で発見された「誉(ほまれ)」エンジンや、ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館から寄贈された「火星」エンジンなど、貴重な実物の航空機エンジンを展示。さらに、明治時代の水雷艇に搭載されていた「三段膨張蒸気機関」などの産業遺産も並びます。旧海軍工廠の高度な技術が、戦後の日本のものづくりへどのように受け継がれたかを解き明かすコーナーも新設されました。
加えて、最新の映像・デジタル技術を活用した没入型展示も増設されています。来館者が造船の仕組みや艦艇技術を体感しながら学べるようになり、子どもや海外からの観光客にも分かりやすい構成に改められました。
利便性の面でも、館外に新たなミュージアムショップ棟が整備されるなど、受け入れ体制が強化されています。観覧料は一般1000円、呉市民は500円に設定され、地元住民により親しまれる施設を目指します。
休館中に設けられていた「大和ミュージアムサテライト」も当面のあいだ継続され、本館とあわせて呉の観光拠点としての役割を担います。
戦艦「大和」を生んだ街・呉の歴史を語り継ぐ象徴として歩んできた大和ミュージアム。リニューアル後は、軍港の歴史だけでなく、日本の海事産業や科学技術の歩みを広く世界へ発信する施設へと生まれ変わります。「世界トップレベルの海事博物館」を掲げ、新たな船出を迎える同館に、改めて大きな注目が集まりそうです。

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