東京都北区の交差点で発生した電動キックボード運転者の死亡事故。都内の公道における初の特定小型原付の死亡事故で、その後の経過が警察関係者への取材で明らかになりました。
衝突事故が発生したのは2026年6月2日、22時10分頃。東京都北区王子2-22「王子3丁目」交差点で、29歳の会社員が運転する自家用軽貨物車が右折しようとしたところ、軽貨物車と同じ方向に進行中の62歳のアルバイトが運転する電動キックボードと衝突しました。運転者は約1時間後に搬送先の病院で死亡が確認されています。
警察関係者によると、軽貨物車の運転者は「特定小型原付に気が付かなかった」という主旨の話をしていたといいます。どちらが事故の第一当事者であるかは、明らかにされませんでした。
軽貨物車の運転者は、自動車運転処罰法の過失運転致死の容疑で東京地方検察庁に6月4日、送致されました。
事故の詳細な態様は明かされなかったものの、死亡の原因は「頭部を損傷したこと」だそうです。また双方に飲酒運転はなかった、とされています。
Luupは安全講習会を開催報道を受けて、電動キックボードなどのシェアサービス「LUUP」を展開する会社「Luup」(岡井大輝社長)が、自社の利用者であることを明らかにしています。6月2日の事故後、9日には「お知らせ」として、メッセージを掲げています。
《亡くなられたご利用者様には謹んで哀悼の意を捧げますとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。(中略)今回の事故を重く受け止め、交通安全対策や啓発活動に、より一層注力してまいります》
7月14日、同社は立正大学、大崎警察署とともに大学構内で、電動キックボードが関係する事故ゼロを目指す講習会を開催しました。
特定小型原付は、自転車と同様にヘルメットの着用は努力義務とされています。車両の所有者の安全意識が高ければ、ヘルメット購入の助成などを進め、利用の抵抗感を下げられます。駐車時は自分の車両にヘルメットを置いて、身軽になって離れることもできるからです
一方、シェアサービスではヘルメットの共用が想定しにくく、利用者がヘルメットを持参するようになるには、特別な対策が必要になります。移動のためにヘルメットを持ち歩くことは、手軽な移動につながらないという意識があるためです。
Luupでは、折りたためて厚みを圧縮、持ち運びを容易にするオリジナルデザインヘルメットをアマゾンで販売していますが、利用者の動向からは着用率アップの有効打とは言えない状況です。
電動キックボードなど立ち乗り型の乗り物は、バランスを崩してもステップから足を出して体勢を立て直しやすいとされている反面、自車のスピードが出ている場合や衝突された場合は、車体や道路に頭部が直撃する可能性があります。
この事故を受けて、警視庁は利用者にこう呼びかけます。「特定小型原付もヘルメットをかぶり、交通ルールを守って安全に運転するようにお願いいたします」

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