エレベーターの「開」と「閉」のボタン。あることを知っていれば、押し間違いを防ぐことができるかもしれません。
エレベーターの「開」と「閉」のボタンが並んでいる場合、「開」はたいてい左にある気がします。
多くのボタンが並んだエレベーターの操作盤。写真はイメージ(乗りものニュース編集部撮影)。
実際にどうなのでしょうか。エレベーターのボタン配置に決まりはあるのか、日本エレベーター協会に聞きました。
――ボタンの配置などに決まりはあるのでしょうか?
協会の標準はありますが、法令などで決まっているわけではありません。たとえば「開」「閉」ボタンについては、階数ボタン群の上につけるか、下につけるかなど、最終的にはエレベーターごとの設計や、メーカー、所有者の意向によっても異なってきます。
――押し間違えないためのポイントは、何かありますでしょうか?
協会標準では「開」が左、「閉」が右に配置されており、これは多くのエレベーターで共通すると思いますので、「『開』が左」と覚えておくのはよいかもしれません。
「閉」よりも重要な「開」、なぜ左?エレベーターメーカーの見解はどうでしょうか。東芝エレベータ(川崎市幸区)、日立ビルシステム(東京都千代田区)、三菱電機(同)の3社に聞いたところ、いずれも基本的に「『開』が左」とのことでした。
なぜ「『開』が左」になったのでしょうか。三菱電機によると、「エレベーターの操作盤は、かご内から出入口に向かって右側にあることが多く、そのなかでより出入口に近い側に『開』のボタンが配置されたといわれています」といいます。
なお、各社とも押し間違い防止の観点から、「開」のボタンを大きくしたり、ボタンの色を変えたりして、誤操作を防止する工夫をしているとのこと。日立ビルシステムや三菱電機では「開」ボタンの色を緑に、東芝エレベータでは「開」ボタンに緑色の枠を取り付けるなどして、「開」を目立たせているといいます。
「『開』は、エレベーターに駆け込んで乗られる方のために押されるなど、緊急性の高いボタンです」(日立ビルシステム)
逆に「閉」については、「日本人はよく押しますが、海外ではボタンがあったとしても押さない人が多いほどですので、『開』ほど重要ではないといえます」(日立ビルシステム)とのことです。
【写真】車いす用操作盤でも「開」は左

かご内の側面にある車いす利用者用の操作盤イメージ。「開」は「閉」の左側にあり、緑の文字で強調されている(乗りものニュース編集部撮影)。