国土交通省が募集している「地方版図柄入りナンバープレート」として、広島県東部の「福山」ナンバーに、広島カープとコラボしたものが登場するかもしれません。カープの本拠地「広島」では導入されないのでしょうか。
広島県東部で交付されている「福山」ナンバーに、プロ野球の広島東洋カープとコラボした図柄入りナンバーが誕生するかもしれません。2017年11月下旬に福山市など導入地域でデザイン案が発表され、すでに国土交通省へ提案されています。
広島カープとコラボした図柄入り「福山」ナンバーのデザイン案(画像:福山市)。
図柄入りのナンバープレートはすでに、2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた特別仕様ナンバープレートが導入されていますが、国土交通省はこれを地域振興、観光振興に活かすべく「地方版」を導入するとし、2017年5月に募集を開始しました。以後、さまざまな地域で図柄が考案され、これらは国土交通省内での検討を経て、2018年10月ころから交付される予定です。
「福山」ナンバーに導入される図柄入りナンバープレートは、広島カープのイメージカラーである赤が配され、同じく球団キャラクターである「カープ坊や」が野球のボールを投げているというデザインです。ほかの地域で発表されているデザインは、その多くが名所や特産品、花、祭り、地域の歴史などにまつわるもので、特定の球団とコラボした図柄は珍しいといえます。導入の背景を福山市企画政策課に聞きました。
――広島カープとコラボした図柄入りナンバーは、どのような理由や目的で導入するのでしょうか?
カープといえば県西部のイメージがあるなかで、県東部でも応援していることを示すためです。また、ナンバープレート購入時に募る寄付金を、地域振興、観光振興に活用していく目的もあります。
――名所や特産品などのデザインでなくてもよいのでしょうか?
確かに、名所や特産品を図柄にする案もありましたが、関係自治体のあいだで折り合いがつかなかったという経緯があります。たとえば、小さなナンバープレートに各市町の花を配しても、よく見えません。
であれば、そもそも「福山」ナンバーの地域が広島県であることを知ってもらえるようなデザインではどうかということになり、カープのナンバープレートを導入することとなりました。
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図柄入りナンバープレートは、ユーザーが寄付金を納付した場合はカラーのものが、納付しない場合はモノトーンのものが交付されます。福山市企画政策課によると、寄付金額は未定で、かつどれほどの人が「寄付金あり」を選ぶかは、交付が始まらなければわからないとしています。モノトーンのカープナンバーも見られるようになるかもしれません。
広島市でもカープコラボの原付ナンバー登場 4輪は?一方、広島カープの本拠地である「MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島」があるのは広島市南区、つまり「広島」ナンバーの地域です。その広島市では2017年12月1日(金)から、広島カープおよびサッカーJリーグのサンフレッチェ広島F.Cとコラボした、図柄入り原付ナンバープレート(50cc以下、500cc超え90cc以下、90cc超え125cc以下の3種)の交付が始まりました。

広島市で交付されている、広島カープおよびサンフレッチェ広島F.Cとコラボした原付ナンバープレートのイメージ(画像:広島市)。
4輪自動車の図柄入りナンバープレートは導入されないのでしょうか。広島市広域都市圏推進課に聞きました。
――4輪自動車の図柄入りナンバーは導入しないのでしょうか?
当市では検討中の段階です。
――自動車用でカープのナンバーが欲しいという声はありますでしょうか?
確かに、国土交通省による図柄入りナンバーの募集時期が、カープのリーグ優勝(2017年9月)と重なったこともあり、4輪のカープナンバーを欲しいという声もあったことは認識しています。
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将来的には、「広島」ナンバーにも広島カープの図柄入りナンバーが登場するかもしれません。
ちなみに、2017年12月5日時点で、特定のスポーツチームとコラボした図柄入りナンバーのデザイン案がもうひとつあります。愛知県豊田市で交付されている「豊田」ナンバーです。こちらでは豊田市の豊田スタジアムと、ここを本拠地とするサッカーJリーグ・名古屋グランパスエイトのキャラクターである「グランパスくん」などをデザインに取り入れた4案が発表されており、サポーターと市民の投票を経て2018年1月ころに最終案が決まる予定です。
【画像】「豊田」ナンバーではあのサッカーチームとコラボ

名古屋グランパスエイトとコラボした「豊田」ナンバーのデザイン案。サポーターと豊田市民の投票を経て、2018年1月に最終案が決まる予定(画像:名古屋グランパスエイト)。