2018年1月、都内が大雪に見舞われるなか、東京モノレールの車両前方に装備されたブラシが話題になりました。このブラシには除雪機能があるとのことですが、どの程度の積雪に対応することができるのでしょうか。

手遅れになる前に、こまめに除雪を実施

 2018年1月22日(月)、東京都内で大雪を観測したなか、前方にブラシを付けている東京モノレールの車両の様子が、ネット上で話題になりました。モノレールの車両は、レールに積もった雪をブラシで振り払いながら走行しているようです。

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ブラシで雪を振り払って走る東京モノレールの車両(画像:東京モノレール)。

 詳細を東京モノレールに聞きました。

――あのブラシは、除雪するためのブラシで間違いないでしょうか?

 はい、間違いありません。名前もそのまま「除雪機」といいます。

――積雪何cmまで対応可能なのでしょうか?

 何cmまで除雪可能かどうかというよりも、雪が降り始めたら、積雪量がわずかな時から頻繁に除雪を行い、常に積もらないように対応しています。東京モノレールは、約4、5分おきに運行しているのですが、降雪している間は、通るたびに除雪を行っています。

――では、終電から初電にかけて雪が降り続けている場合は、どのように対応しているのでしょうか?

 除雪は、雪が積もる前にしないと手遅れになってしまいます。そのため、夜から朝にかけて雪が降り続いた場合は、夜通しで列車を運行して除雪を行います。2014年の豪雪の際には、そのような措置をとりました。

懸垂式モノレールの雪対策は?

 ところでモノレールには、走行桁(一般的な鉄道のレールに相当)に車両が乗っている「跨座(こざ)式」と、走行桁に車両がぶら下がっている「懸垂(けんすい)式」の、大きく2種類があります。

 東京モノレールは跨座式ですが、これと異なる懸垂式の場合、積雪対策はどのようにしているのでしょうか。懸垂式を採用している湘南モノレール(神奈川県鎌倉市)に聞きました。

――湘南モノレールでは、どのように除雪をしているのでしょうか?

 湘南モノレールは、基本的には除雪を要しません。比較的雪に強いといえます。

雪の日のモノレール、どう走る? モノレールの方式によっても異なる除雪事情とは

走行桁に車体がぶらさがり走行する、懸垂式の湘南モノレール(画像:湘南モノレール)。

※ ※ ※

 懸垂式の場合、懸架部分が走行桁の下部でかつ内側にあるため、見た目そのまま、除雪の必要はなく雪に強いとのことです。

 ただ、いくら雪に強い湘南モノレールとはいえ、帰宅時間が集中してしまった場合には、収容人数に限りがあるため、遅延が生じることもあるといいます。また足元が悪いと昇降に時間がかかってしまうため、どうしても通常の時刻どおりに運行できないこともあるそうです。
 

【地図】日本のモノレールは現在10路線

雪の日のモノレール、どう走る? モノレールの方式によっても異なる除雪事情とは

現在運行されている日本国内のモノレール一覧(国土地理院の地図を加工)。

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