春の干潟に立つと、熊手の先から伝わるのは、ただの貝殻の感触ではない。そこには何年もの潮の満ち引きを生き抜いた命の重みがある。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・HAZEKING)
アサリの成長速度
まずアサリの成長速度から説明。春の産卵期を経て海中を漂った幼生は、やがて砂泥底へと着底し、新たな命を刻み始める。生後1年で殻長はおよそ1cm前後。そこから順調に育てば、2~3年で2~3cmほどとなり、潮干狩りでよく手にするサイズへと成長する。
さらに数年を重ねれば4cm級も現れるが、そこまで育つ個体は決して多くない。干潟の環境、餌の豊富さ、夏場の高水温、そして台風による地形変化――さまざまな条件を乗り越えてこそ辿り着けるサイズだ。
ハマグリの成長速度
一方のハマグリの成長速度は、よりゆっくり、しかし堂々と育つ。生後1年ではまだ1cmにも満たない個体も珍しくなく、2~3年でようやく2~3cmクラス。
潮干狩りで「いいサイズだ」と感じる4cm超となるには、4~6年ほどかかることもある。
さらに5cm、6cmと殻を厚くしていく個体は、干潟の主と呼んでもいい存在だ。現場で殻の厚い大型個体に出会うたび思う。手のひらに収まる一粒にも、それだけの年月が詰まっているのだと。
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貝採りではつい数やサイズに目が向きがちだが、その一個が何年もの潮を生きてきたと思えば、見え方も少し変わる。今春、熊手の先に伝わる重みを感じたなら、その貝が歩んだ時間にも、少しだけ思いを馳せてみてほしい。
アサリの成長速度
ハマグリの成長速度
<HAZEKING/TSURINEWSライター>
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