今や、さまざまなジャンルで使用される釣り用ラインと言えば「PEライン」だ。新素材ラインと入れて久しいが、技術革新により、極細のPEラインが登場した事で、一気に広がった。

そもそもPEラインとは何物で、どんなメリットがあるのか。今さら聞けない、その原点と効果的な使用方法を紹介。

(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

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釣り糸の主流は3種類

現在、釣りに主に使われているラインと言えば、ナイロン、フロロカーボン、PEラインが3大素材が言える。アジングなどでは近年、ポリエステルを使用したエステルラインも見直されてきているがジャンルが限られている。

釣りに使われるラインのパーツで見ると、リールに巻く道糸、そしてハリを接続するハリス、エダスなどが基本となる。

道糸に欲しい特徴としては、リールに巻く場合にはスプールの型が付きにくい軟らかなラインであること、ハリス、エダスなどではしっかりとした張りが欲しいなど、ラインとひと口に言ってもパーツごとに欲しい機能が分かれるのが現状だ。

4つの素材の特徴は?

各ラインの特徴を説明する。

ナイロンとフロロ

簡単にそれぞれの特徴を見ると、ナイロンラインはしなやかで扱いやすい。特にリールのスプールへの収まりがいい上に、巻きグセが付きにくいので、リールに巻く道糸としての機能が高い。

逆にフロロカーボンはナイロンに比べると硬いため、スプールへの収まりは悪いが、比重が高く(沈みやすい)傷が付きにくく、吸水性も低くて張りが保てるのでハリスやエダス向き。ともに伸びるのでショックを吸収しやすいと言う特徴がある。

デメリットとしてはナイロンラインは吸水性が高いので、劣化が早く適度にライン交換をしないといけない。フロロカーボンは硬いのでスプールに巻くと収まりが悪く現場でのトラブルに発展しかねないなどがある。

PEライン

では、PEラインに関してはどうだろうか。そもそもPEラインは「ポリエチレン」と言う素材でできているラインだ。

ポリエチレンというのは生活の中では頻繁に接していて、いろいろ形をかえて利用されている。

ポリエチレン製のラインは非常に強度が高く、ナイロンやフロロカーボンのラインに比べると、同じ号数なら強度が高く、逆に細い号数を使える、その上で伸縮率が低いので感度がいいというメリットがある。

編む事でしなやかさを出すPEライン

PEラインはポリエチレン製の細い繊維を編んで作られたもの。単糸だと硬いので扱い辛く、細い繊維を編み込む事でしなやかさを出している。

現在、多くのPEラインで4本編みや8本編みと同じPEラインでも表記の違ったラインが発売されている。

X4やX8と言った表記をされている場合が多いが、その大きな違いは、同じ号数で編み数を増やすにはそれだけ1本を細くする必要があり、編み数(繊維の数)が多い方が、より細い繊維の集合体であると言える。

今さら聞けない『PEライン』の特徴 初心者はデメリットを理解しよう
電動リールに巻いたPEライン(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

特徴としては、細い繊維を数多く編んだラインの方がよりしなやかで、摩擦抵抗も小さいため、ガイドを滑りやすく、より飛距離が出ると言う点。

ただ、編み数が多くなるとその分、手間もかかるため、価格帯もかなり上がるので、最初は安価な方で始めるといいだろう。扱いに慣れてくるにしたがって、より高価なPEラインを使う事で快適さを実感できるだろう。

PEラインを使うメリット

いろいろな釣りにおいてPEラインを使うメリットは

・細い号数のラインが使える
・伸びが少なく感度がいい

の2点がメインとして挙げられる。その他にもメリット部分はあるのだが、これはナイロンやフロロラインに比べて分かりやすいメリット部分である。

1、細い号数が使える

ラインの強度で言うとフロロカーボン<ナイロンライン<PEラインと言われていて、PEラインにもよるが、単に引っ張った時の強度ではだいたい2~3倍の強さがある。なので、同じ強度があれば十分なターゲットであれば、その分細いラインが使えると言う事だ。

細い道糸が使えるとそこからさらにメリットは増える。それはルアーやチョイ投げ、投げ釣りなどでよく言われる飛距離である。

細い分、ガイドを通る抵抗などが小さく、軽い仕掛けをより遠くへ飛ばせる。

今さら聞けない『PEライン』の特徴 初心者はデメリットを理解しよう
1号以下のPEラインも増えてきた(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

同じ距離なら軽い仕掛けを使えると、違和感なく食わせる事ができるジャンルの釣りも多い。チョイ投げでのキス狙いなどがまさにそうで、オモリを軽くできれば着水音も小さくなり浅場もキスの群れを散らさず釣る事ができる。

こう考えると、道糸を細くできるメリットは連鎖的にどんどんと出てくるのが面白い。

2、伸びが少なく感度がいい

PEラインの特徴である、伸びが少ないと言う点だが、実はキスなど小さなターゲットに絞って言うと、非常にさまざまなシーンで役立つ。たとえば、感度がいいので、オモリを引きずる時の海底の感触が伝わりやすく、どんな海底の上を引きずっているのかが分かりやすい。

その上で、キスなどが食ってきたり、突いてきたりと、魚からの反応が敏感に伝わるので、明確にヒットした時以外でも「食いかけたけど、食い込まなかった」なんて、ごくごく小さな反応も手に取るように分かる。これを分かりながら釣っているのと、そうでないのはかなり違う。

今さら聞けない『PEライン』の特徴 初心者はデメリットを理解しよう
反応が分かるだけで釣果に繋がる(撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

エサを取られてしまった可能性がある、状況下では無駄にエサの付いていない仕掛けを海中に置いておくよりも「さっき、反応があったからエサが取られているかも」と気付いて点検をする事ができる。

これはチョイ投げのキス釣りだけに限らず、エギングやティップランでのアオリイカ狙い、イカメタルでのケンサキやヤリイカ狙い、はたまたショア、オフショアのジギング、天秤フカセ釣りなどなど、感度のよさに恩恵を受ける釣りは非常に多い。

こう考えると、PEラインは、釣りをする上でナイロンやフロロラインに比べて、もの凄くメリットが多いラインなのではないかと思ってしまうが、実はPEラインを使用するに当たって、初心者が陥りやすい落とし穴もある。

もちろん、ベテランになるとPEラインのデメリットもしっかりと知った上で使っていると思うのだが。

PEラインの初心者的デメリット

PEラインは細い号数が使える…と言うのは前述の通り。確かに単純に引っ張るだけの強度は、強いのだがPEラインの特徴の一つに、耐摩耗性に弱いと言うのがある。

要はピンと張った状態で、障害物などの角に当たるといとも簡単に切れてしまう。それがナイロンやフロロカーボンラインに比べると非常に顕著だ。

何よりも、PEラインの場合は細い号数が使えるメリットを生かすために、自ずと細い号数を使うので、余計に扱いには注意が必要なのだ。また、チョイ投げやエギングなど多くの釣りでは、仕掛けを底に沈めたり、魚やイカが掛かって抵抗する時に、障害物周りに逃げる場合も多い。

そんな場面ではテンビンやエギなどにPEラインを直結していると、障害物に触れた時点で切れてしまうと言う事態に。そのため、PEライン使用時はできるだけ、リーダーや先糸と呼ばれる、ナイロンやフロロカーボンラインを接続して使いたい。

リーダーのそれぞれの釣りでオススメの長さがかわるが、基本的に縦の釣り(ジギングやティップラン、イカメタル)では長く、横の釣り(チョイ投げなど)では短めでもいい。

ほかに初心者が陥りやすいのは、接続部分。PEラインとリーダーの接続にはリーダーの結び目を作らない「摩擦系ノット」と呼ばれる接続方法が理想的。FGノットなどが代表的だが、特殊な結び方で、この結びを補助してくれるアイテムも多数あるので、ぜひ手に入れて自宅で練習してほしい。

メリットがデメリットを生む

先に挙げたPEラインのメリットは釣りをする上では、何をおいても非常に大助かりな項目である。ただ、釣りにおいてはメリットがデメリットを生むと言う事も頭に入れておこう。

細い号数が使える→切れやすい
伸びが小さい→ショックを吸収できない
編み糸なのでしなやか→ガイドなどに絡まりやすい

など、挙げればたくさんあるが、デメリットに見える部分は釣り人側の扱い次第で解消できる部分がほとんど。PEラインを使用して、そのデメリット部分に注意しながらトラブルレスで釣りができるようになれば釣り人としてはステップアップと言う訳だ。

<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>

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