7月3日、小倉競馬場で3歳以上馬によるGⅢCBC賞(芝1200m)が行なわれる。

 このレースは通常、中京競馬場で開催されるが、京都競馬場改修の影響で2020年は阪神、昨年は小倉で行なわれた。

昨年はファストフォース(牡6歳、栗東・西村真幸厩舎)が1分06秒0で芝1200mのJRAレコードを樹立。今年も開幕週で行なわれるため、良馬場ならかなりの好タイムが期待できそうだ。

CBC賞はロードカナロア産駒で絞る。「連覇」か「重賞初制覇」...の画像はこちら >>

昨年、CBC賞をJRAレコードで制したファストフォース

 そのファストフォースは今年も参戦する。昨年は約8カ月ぶりの格上挑戦で重賞初出走、ハンデ52kg、8番人気での出走だったが、今年は56kgでの出走。昨年の同レース勝利後はGⅢ北九州記念2着、GⅢ京阪杯3着、前走のGⅠ高松宮記念は勝ち馬から0秒3差の9着と、重賞ウイナーに恥じない走りを続けている。やはりフロックでJRAレコードを出せるはずはなく、着実に力をつけているようだ。


 父ロードカナロアは日本調教馬として初めてGⅠ香港スプリントを勝ち、同レースを連覇(2012年、13年)。そのほか、スプリンターズSを2勝、高松宮記念、安田記念と、芝1200~1600mのGⅠを6勝して年度代表馬にも輝いた歴史的な名スプリンターだ。

 母の父サクラバクシンオーは1993年、94年のGⅠスプリンターズSを連覇しており、1994年のレースは1分07秒1のJRAレコード(当時)で、4馬身差と圧勝。当時は高松宮記念も香港スプリントもなかったため、競走成績はロードカナロアに劣るが、抑えきれないほどのスピードを感じさせる馬だった。「サクラバクシンオーこそ史上最強スプリンターだ」という競馬ファン、関係者も少なくない。

 そんなスプリンター同士の配合が施され、狙い通りのスプリンターに成長したファストフォースの連覇に期待する。

 もう1頭もロードカナロア産駒から、スティクス(牝4歳、栗東・武幸四郎厩舎)を推したい。同馬は現在4勝で、昨年の知立S(中京・芝1200m)を勝ってオープン入り。オープン入り後は北九州短距離S(小倉・芝1200m)18着、鞍馬S(中京・芝1200m)11着、韋駄天S(新潟・芝1000m)10着と大敗が続いているが、「小倉・芝1200m」では3戦2勝。昨年7月の1勝クラスでは1分06秒9の好タイムで2着に1馬身1/4差をつけて逃げ切っている。

 同コースで18着と惨敗した北九州短距離Sは、稍重の馬場が敗因だろう。勝ったレースはすべて良馬場だっただけに、良馬場が好走の条件になりそうだ。



 血統は優秀で、母の全兄は日本ダービー馬ロジユニヴァース。3代母ソニンクの牝系からはGⅠ秋華賞、英GⅠナッソーSのディアドラ、今年のGⅠ安田記念を勝ったソングラインのほか、芝短距離重賞では2017年のGⅢ函館スプリントSを勝ったジューヌエコールなども出しており、スプリント能力も秘めたファミリーだ。父系、さらに牝系の勢いに乗って重賞初制覇といきたい。

 以上、今年のCBC賞は、ロードカナロア産駒の2頭、ファストフォースとスティクスに期待する。