1月15日(日)、中山競馬場で3歳馬によるGⅢ京成杯(芝2000m)が行なわれる。

 昨年は6番人気のオニャンコポンが勝利し、2着が5番人気、3着が8番人気で3連単は32万3010円の高配当。

2020年にも7番人気のクリスタルブラックが勝つなど、人気薄馬の台頭も多いレースだ。

このレースを血統的視点から分析していきたい。種牡馬別成績を見ると、特徴的なデータが見て取れる。3歳戦で絶対的な強さを誇るディープインパクトが15戦1勝(2012年ベストディール)で勝率・連対率6.7%と、意外にも不得意と言える数字が残っているのだ。後継種牡馬キズナの産駒クリスタルブラックが2020年に勝利してはいるが、ディープインパクト系はやや割引と考えていいだろう。

 一方、好成績を残しているのがハーツクライで、8戦して2013年フェイムゲーム、2021年グラティアスの2勝。
勝率は25%となっている。今回、ハーツクライ産駒は登録がないが、後継種牡馬ジャスタウェイの産駒セブンマジシャン(牡2歳、栗東・高野友和厩舎)が出走を予定している。

京成杯はレースと相性がいいハーツクライの血に注目。最注目の種...の画像はこちら >>

重賞初勝利を目指すセブンマジシャン

 同馬は10月2日の新馬戦(中山・芝1800m)で勝ち上がり。タイムは1分50秒0と平凡だったが、2番手から抜け出してゴール前では他馬を突き離す強い内容で、2着に2馬身半差をつける完勝。続く黄菊賞(阪神・芝2000m)は重馬場で出遅れという厳しいレースになったものの、直線で反応よく伸び、1馬身1/4差で鮮やかに差し切っている。

 そして前走、今回と同じ舞台で行なわれたGⅠホープフルS(中山・芝2000m)では3番人気に推されたが、道中折り合いを欠いて、勝ち馬から0秒4差の6着に敗れている。
プラス8kgとやや重めの馬体重でもあったので、巻き返しは可能だろう。

 そのホープフルSの記事でもセブンマジシャンを本命に推し、その際にも強調したが、母系の血統も魅力的だ。母の父メイショウサムソンはこの舞台で開催されたGⅠ皐月賞や、GⅠ日本ダービーを勝った名馬。母ハピネスダンサーも3歳時に中山・芝2000mのミモザ賞を勝っている。さらに、叔母にGⅠ有馬記念などGⅠ4勝のクロノジェネシス、GⅠ香港CなどGⅠ2勝のノームコアがいる良血。ノームコアも中山・芝2000mでは、GⅢ紫苑Sを3馬身差で圧勝している。



 ちなみに、昨年の勝ち馬オニャンコポンは新馬戦、百日草特別を勝利後、ホープフルS11着を経て京成杯を勝利。セブンマジシャンも同じような臨戦過程で出走する。同じコースのホープフルSで、GⅠの強いメンバーに揉まれた経験は生きてくるはずだ。良馬場でも重馬場でも、先行でも追い込みでも結果を残しているのは大きな強みで、折り合いがつけば大崩れはしない安定感がある。今度こそ重賞初制覇なるか。

 注目しているもう1頭はソールオリエンス(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)を推す。
同馬は11月13日の新馬戦(東京芝1800m)で勝ち上がって以来、約2カ月ぶりの実戦となる。その新馬戦は着差こそクビ差だが、上がり3F33秒3という素晴らしい瞬発力を披露し、素質を感じさせる内容だった。2着だったレーベンスティールは、続く未勝利戦を3馬身半差で圧勝したように相手も強かった。実際に、新馬戦では3着と5馬身の差がついている。

 ソールオリエンスの血統を見てみよう。父キタサンブラックは現在、最も注目を集める種牡馬だ。
代表産駒イクイノックスはGⅠ有馬記念、GⅠ天皇賞・秋を制し、昨年のJRA賞年度代表馬に輝いた。他にもGⅡセントライト記念のガイアフォース、GⅢアルテミスSのラヴェルなど順調に重賞勝ち馬を送っている。

 母系は半兄に、GⅡ富士S(芝・1600m)を勝ち、2021年のGⅠドバイターフでも2着に入ったヴァンドギャルドがいる良血。母の父モティヴェイターはGⅠ英ダービー馬で、GⅠ天皇賞・春などGⅠ3勝のタイトルホルダーの母の父。スタミナとパワーに溢れる血統なだけに、距離延長も中山の馬場も合うだろう。

 以上、今年の京成杯はジャスタウェイ産駒セブンマジシャン、キタサンブラック産駒ソールオリエンスに期待する。