この記事をまとめると
■マルチ・スズキ・インディア社がジムニー5ドアを発表



■日本での販売についてはアナウンスされていない



■5ドアが投入された理由を考える



インドでジムニー5ドアが登場!

スズキ株式会社のインド子会社であるマルチ・スズキ・インディア社が、2023年1月11日に「ジムニー5ドア」を、現地のモーターショーである「Auto Expo 2023」において公開したことが日本でも話題となっている。



前々からジムニー5ドアの開発が進んでいるというスクープがあったこともあり、それほどサプライズ感は強くない印象もあるが、日本にもジムニー5ドアを求めるファンの声が多いことはSNSなどで称賛する書き込みを見ても感じられる。



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とはいえ、現時点ではジムニー5ドアはインド市場向けと発表されているだけで、日本での販売については何も発表されていない。

まずは、インド仕様のジムニー5ドアについて判明しているスペックを整理してみよう。



ジムニー5ドアインド仕様ボディサイズ ※()は日本仕様のジムニーシエラ3ドア



全長3,985mm(3,550mm)



全幅1,645mm(1,645mm)



全高1,720mm(1,730mm)



ホイールベース2,590mm(2,250mm)



パワートレインは、1.5リッターガソリンエンジンと5速MT/4速ATのトランスミッションを用意するというのも、日本でいうジムニーシエラと同等。ハードウェアとしては、ジムニーシエラのロング版と捉えればよさそうだ。



5ドアのジムニー登場で欲しい欲しいのお祭り状態! 3ドアじゃ何がダメだったの?
スズキ・ジムニーシエラの走り



ジムニーのホイールベースとボディを伸ばして5ドアとしたときのメリット・デメリットはなんだろうか。



一般論としてクロカン4WDをロングホイールベースにすると、前後タイヤとホイールベース中心のフロア底部を結んだ角度(ランプブレークオーバーアングル、ランプ角)が小さくなり走破性には不利となる。ジムニー5ドアについては、こうした数値は明らかになっていないが、写真で見る限り走破性においては3ドアのショートボディが有利に見える。



ジムニーの価値が広がったといえる

ホイールベースやボディを伸ばすということは、後席スペースやラゲッジスペースを大幅に拡大することが期待できる。インドの自動車市場は、今後ますます成長が期待できるが、やはりモータリゼーション普及期ということで広いキャビンの優先順位は高い。ジムニーといえども5ドアにしたファミリーカーにならざるを得ないということだ。



日本でのジムニーというのはショートボディゆえの走破性が評価されている部分がある。キャラクターは異なるが、ユーザーマインドとしてはストイックなスポーツカーに近い。そうしたユーザーからすると5ドアボディというのは軟弱に感じるかもしれない。



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スズキ・ジムニーの悪路走行



ロングホイールベースの5ドアになってもラダーフレーム構造を持つハードコアなクロカン4WDという素性の部分は不変であろう。後席が広くなったからといって、乗用車ベースのクロスオーバーSUVのような乗り心地に変身するとは考えづらい。



ハードコアなクロカン4WDというのはジムニーが初代から磨き続けている価値ゆえに軟弱になるほうがジムニーらしからぬともいえる。もっとも現行ジムニーが日本でウケているのは、そのスタイリングが持つキュートさが、新しいユーザーを獲得したという面もある。



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スズキ・ジムニーの走り



5ドアジムニーがキュートなルックスという魅力を失っていないのは見てのとおり。5ドアジムニーが日本で発売されればヒットすること間違いなしといえるだろう。



もし5ドアジムニーがヒットしたとしても3ドアのジムニーに価値がないというわけではない。あくまでジムニーの魅力が拡大するということと理解すべきだ。少なくとも日本においては5ドアが登場したとしても、本来的なクロカン4WDというジムニー伝統の価値が揺るぐことはない。

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