この記事をまとめると
■スーパーカージャーナリストの山崎元裕さんが乗りやすかったスーパーカーを選んだ



■最新世代のモデルはその多くが普通のクルマと同様に運転することができる



■今回はマクラーレン、ランボルギーニ、アウディホンダのスーパーカーをセレクトした



いまどきのスーパーカーはイージードライブ

スーパーカーをドライブすると聞くと、多くの人はそれには高いドライビングスキルが必要になると考えるのかもしれない。たしかに初心者ドライバーにとっては、そのスタイリングやスペック表に並ぶ最高出力などの数字を見ただけで、これは自分には操ることはできないとあきらめてしまう代物なのかもしれないが、ある程度の運転経験がある人には、意を決して乗ってみれば普通のクルマと変わらない、運転のしやすさや快適さを持つスーパーカーもじつは多くあることを忘れてはならない。



もちろんその運動性能も価格も「スーパー」であるから、むやみにアクセルペダルを踏み込むことだけは避けたいところだが。



そんな印象を強く感じたのは、マクラーレンのアルトゥーラだった。詳しいメカニズムの解説は省略するが、新設計のカーボンモノコックタブに、新開発の3リッターV型6気筒エンジンとPHEVのシステムを搭載したこのモデルは、当然のことながらバッテリーの残量があればスタート時にはエレクトリックモーターで走り出す。



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コクピットの操作性もキャビンの居住性も、そして視界も十分に得られているから、街なかでも快適に落ち着いたドライブが楽しめるのだ。8速DCTをシフトするためのパドル操作も慣れるまでには時間はかからない。それさえも面倒ならばオートモードを使用すればよい。



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マクラーレン・アルトゥーラのインテリア



パワートレインとシャシーは各々にセッティングできるから、自分の好みの乗り味はそれで得ることもできる。スーパーカーはけしてスパルタン一辺倒な乗り物ではないことが分かるだろう。



まもなく生産が終了するランボルギーニのV型10気筒モデルであるウラカンを最初にドライブしたときも、同じように速さと快適さの両立には驚かされた。言葉を変えるのならば、それはスーパーカーの姿カタチをした高性能なサルーンといってもよい快適さ。



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ランボルギーニ・ウラカンの走行シーン



駆動方式は4WDが基本となるが(シリーズ途中でRWDモデルも登場している)、この4WDシステムの優秀さもまた、ウラカンの快適なドライブを実現した理由のひとつとなっている。



ランボルギーニ車としては初採用された7速のDCT、また走行モード統合制御機構のANIMAの搭載など、このウラカンもまたその乗りやすさや、マン・マシンの一体化を開発時の大きなテーマに掲げたモデルだったのだ。



日本代表スーパーカーも日常生活に使える快適さ

姉妹車のアウディR8もまた同様だ。

こちらはさらにナッパーレザーを使用したインテリアなどの演出で、ラグジュアリーな雰囲気が強くなる。自宅からオフィスへの往復に毎日使用してもまったく違和感を抱かない一台といえる。



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アウディR8の走行シーン



とはいえその運動性能は、3.7秒という0-100km/h加速や329km/hの最高速に象徴されるように(クーペV10パフォーマンスRWD)、世界の一線に並ぶ。自宅からオフィスへの日常から、目的地がサーキットへという非日常への切り替えも問題なく行えるパフォーマンスは素晴らしい。



日本が誇るスーパースポーツ、NSXも間違いなくスーパーカーとして世界に対抗できる実力を持ちながら、日常的な使用にも抵抗なく使えるモデルだろう。それは初心者ドライバーでも、走り出し直後からの乗り心地の快適さを味わってもらえれば一目瞭然となるところ。



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「緊張して損した」って思わされるほどイージードライブだったスーパーカー



スーパーカーとしては比較的長めのサスペンションストロークの恩恵で、路面の凹凸を巧みに吸収してくれるので、それが絶妙な乗り心地となって表れているのだ。もちろんボディの骨格そのものの作り込みも。大きく貢献している。



ミッドに搭載されるエンジンは3.5リッターのV型6気筒ツインターボを核としたHV。低速域でもそのトルク感は十分すぎるほどで、これがイージーなドライブを可能とするひとつの理由にもなっている。前輪のトルク配分を最適に制御するツインモーターユニットは、アクセルオフ時にもトルクベクタリングを実現。

安心してコーナリングを楽しめるというメリットは、入門用スーパーカーとしての資質としてはかなり大きなものだろう。



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「緊張して損した」って思わされるほどイージードライブだったスーパーカー



NSXからのスーパーカーライフ。クルマを見つけるのはこれからますます難しくなるが、試してみる価値は十分にあるのではないか。

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