この記事をまとめると
■新型プリウスの価格について解説



■先代と比較すると15万円ほどの価格アップとなっている



■内容や新車販売の現状を考慮すると、値上がりは抑えられているという見方も



新型プリウスは値引きゼロが大原則

新型プリウスのメーカー希望小売価格でのHEV(ハイブリッド車)の価格帯をみると、1.8リッターX(FF/ビジネスグレード)の275万円~2リッターZ(AWD)の392万円となっている。一方で先代モデル最後の改良を行った2020年7月での先代HEVのメーカー希望小売価格ベースでの価格帯をみると、Eの260.8万円(FF)~Aプレミアム・ツーリングパッケージ(AWD)の355.7万円。もちろん装備内容などが異なるし、新型での1.8リッター車ではUはKINTO(トヨタの個人向けカーリース)専用で、Xはビジネスユースグレードなので、小売りベースで見れば事実上2リッターしか個人ユースレベルでは選択肢がないようにも見えるので単純比較は難しいが、ベーシックグレードのEとXを比べるとXが15万円ほどの価格アップとなっている。



原則「値引きゼロ」の新型プリウス! それでも「ユーザー無視」...の画像はこちら >>



一方、これも装備内容や為替などの関係もあり単純比較できないのだが、アメリカにおける最上級グレードであるリミテッド(AWD)の販売価格は3万5865ドル(約466万円)と比較すると、Z(AWD)の392万円はリーズナブルにも見える。



事実販売現場で聞くと、「新型になって2リッターは最新ユニットになったが、当初予想していたよりも価格が際立って高くなったという印象を受けない」との声も聞く。単純に新型になっただけでなく、まだまだ各種部品が潤沢に供給される状況ではないし、燃料費などの高騰もあり輸送費などで、あらゆる面でコストアップしているなかでのフルモデルチェンジなのに、その割には価格反映がそれほど目立たないようにも見える。そのような価格上昇を極力抑えたようなことを印象づけるのが、新型プリウスは値引きゼロが大原則となっていることともいえよう。



メンテナンスパックを無料付帯するディーラーも

新車のメーカー希望小売価格からの値引きの原資は販売するディーラー利益を削って捻出されるのが一般的。新型プリウスが値引きゼロを原則とするのは、ディーラー利益からの値引き余力がほとんどなく、これにより一部で予想に反した価格設定となっているものと考えることができる。



あるトヨタ系正規ディーラーで見積りをとると、値引きの話は一切なく、その代わり12万円強のメンテナンスパックを無料付帯すると条件提示された。また一時よりは落ち着きを見せてはいるものの、新車ディーラーの多くが新車販売による利益よりも、下取り車の売却を収益として重視しており、別のトヨタ系ディーラーでは、しっかり利益を取ることを考慮してなのか、値引き替わりに下取り査定額の上乗せをするというものも厳しく管理されており、おいそれとはできなくなっているとの話も聞いている。



原則「値引きゼロ」の新型プリウス! それでも「ユーザー無視」とはいえない厳しい現状
トヨタ・プリウスのリヤスタイリング



ただし、メンテナンスパックを無料付帯するとしたディーラーでは、現状ではプリウスだけでなく、残価設定ローンを利用した新車購入が全体の半分を超えるといったことになっているので、金利は周辺のトヨタ系ディーラーより低めのものを用意していた。



事情通は「プリウスに関係なく、2023年はいよいよ新車販売価格の値上げが目立つかもしれません。新型プリウスは目立った割高感はいまのところありませんが、今後の社会情勢次第では車両価格の値上げもやむを得ずということで、そこまで考えた価格設定になっているのではないかと深読みする人もいます」と語ってくれた。



原則「値引きゼロ」の新型プリウス! それでも「ユーザー無視」とはいえない厳しい現状
トヨタ・プリウスの走り



現状では2リッターでKINTOではなく一般的な購入では、発注してから納車まで1年半以上は待つことになるといわれている。

納車を待っている間に価格変更があったり、ローン金利が上昇した場合はどうなるのか、そのようなことも確認しながら、新型プリウスのような納車までに時間がかかる人気モデルなら、とにかく早めに動きだして臨機応変に対応したほうが良さそうだ。

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