この記事をまとめると
■フェラーリより「ローマ・スパイダー」が発表されそのスタイリングが話題になっている■「ローマ・スパイダー」に負けないほど格好いいオープンモデルをピックアップ
■超高額な数千万円クラスから頑張れば買えそうな数百万円で狙えるモデルまでを紹介する
道行く人二度見必至の個性派オープンたち
フェラーリ・ローマにスパイダーが登場して、にわかに「屋根あき界」がザワついているようです。なんといってもローマ・スパイダーは反則級にカッコいいですから、羨望の眼差しが向けられるのも当然かと。一方、屋根あき界はへそ曲がりが多いことでも知られており、「ローマ? 目じゃないね」とか「ウチの屋根あきの方がよく目立つ!」みたいなアピールもじつに喧しいもの。
なるほど、ちょっと思い出してみてもローマ・スパイダー並みの「街の視線くぎ付けマシン」がゾロゾロいました。
KTMクロスボウ
オーストリアのKTMはホットなバイクブランドですが、4輪車に関してはホットというよりむしろ激辛なマシンを作っています。2008年にリリースされたクロスボウは、カーボンモノコック、VW製4気筒ターボエンジンをミッドシップ、エアロスクリーンのみでガラスを持たない極めて硬派なスポーツカーでした。

このクロスボウ・コンセプトは年々進化を遂げ、クローズドボディのGTレーシングカーまで走り出し、JGTにもエントリーしていたのでご存じの方もいらっしゃることでしょう。ま、これだけならローマから「男臭いスポーツカー」などと鼻で笑われそうですが、じつはクロスボウGTといういくらかエレガント側に振ったモデルもあるのです。
前述の通り、フロントスクリーンが装備されない標準仕様はヘルメットを装着しなければ小石やタイヤのカスなどが前方から飛んできてじつに危なっかしいもの。ですが、GTにはなんと、フロントスクリーンを標準装備! これならノーヘル乗車もできるし、開放感あふれるオープンドライブだって楽しめます。

ローマ・スパイダーが横に並んだら「足まわり、なに使ってんの? こっちはプッシュロッドだけどね」とドヤ顔を浮かべてみるのもいいかもしれません。もっとも、冷暖房は一切装備していないので快適性では勝負しない方がよさげです。
ダラーラ・ストラダーレ
レーシングカー、とくにフォーミュラマシンにかけて当代一のコンストラクターとされるダラーラ。主宰のジャンパオロ・ダラーラの最初のキャリアはフェラーリのフォーミュラマシンだったとのこと。それゆえ、ランボルギーニやマセラティといったメイクスで開発をしていた際は「打倒フェラーリ」に燃えていたのかと。そんなダラーラから、ストリート向けスポーツカーがリリースされたのは2017年のことでした。

「未来のミウラ」をコンセプトに、ピュアなバルケッタとして走り始めた「ダラーラ・ストラダーレ」は、当然のようにカーボンモノコックで、重量のアドバンテージがあるフォード製4気筒エンジンをミッドに搭載。
ストラダーレ(ストリート)の名前こそついていますが、フロントスクリーンやガルウイングドアはオプション装備。ローマ・スパイダーの鼻を明かすならば、ぜひピュアなバルケッタで路上を走るべきではないでしょうか。
もっとも、あまりに低い車高&シートポジションで、ローマ・スパイダーの影に隠れてしまうのが「目立ちたがり屋」にとっては致命的かもしれません。
スーパーカーは買えなくてもこれなら買えるかも?
ルノー・スポール・スピダー
ローマ・スパイダーの優美さに対し、スポール・スピダーはそのインパクト、クセの強さで十分に対抗できるかと。前出の2台と同じくそもそもはフロントスクリーンを省いた設計で、これでもかと低く、そしてトレッドもわりかし広め。つまり、ぺったりと地面に張り付くスタイル(それゆえスピダー=スパイダーの意をよく汲んでいるかと)で自己主張をしているわけです。

加えて、ルノースポールが苦心して取り付けたドアもまた白眉のひとつ。バタフライ風に跳ね上げるドアこそローマにはないギミックで、スムーズな乗り降りを見せつけられたら「まいった」と臍を噛むローマのオーナーすら目に浮かぶほど(笑)。もちろん、これはオプションのフロントスクリーンをつけた状態でも同じなので、少しだけ日和ってコンフォート寄りで転がしても大丈夫。

また、スポール・スピダーもめっちゃ車高短なので、ローマと張り合うなら路上よりも駐車場とか静的シーンでないと相手から見てもらえませんのでくれぐれもご留意を!
三菱エクリプス
当然のことながら、国産車にだって対抗しうるスパイダーがないわけではありません。
例えばエクリプスは初代を除いて2~4代目までずっとスパイダーをラインアップしてきました。主なマーケットであるアメリカでは総じて好評を得ており、ネット上のフォーラムなども活況を呈しているようです。

ちなみに、4代目(2005~2012)は国内に導入されませんでしたが、やっぱり屋根あき界のファンは根強くて、しっかり並行輸入がなされていました。

中古車市場でも散見できるほどなので、運悪くローマ・スパイダーが手に入らなかった方はこちらを探すというのも奥の手ではないでしょうか。