この記事をまとめると
■ドライブに出かけたいけれど運転に自信がないという人は少なくないだろう■初めから運転が完璧という人はおらず練習あるのみだ
■この記事では苦手なシーン別におすすめの練習方法を紹介
歩行者や自転車の動きを予測することも大切
ドライブに出かけたいけれど運転に自信がないという人やもともと運転に苦手意識がある人に、20種以上のさまざまなドライビングレッスンを取材経験と、ペーパードライバー講習のインストラクターへの取材経験から、ぜひ試してほしい練習方法をご紹介します。
苦手なシーン別で、まずひとつ目はどうしても道が覚えられない、ナビのルート案内が理解できない、曲がるところをよく間違えてしまう場合。運転中にナビ画面を確認するには、一瞬チラッと見ただけで画面上の地図と、実際の道路状況をリンクさせる能力が必要です。
そして、複雑な交差点など間違えやすいところは、通過する順番にポストイットに書き出し、ダッシュボードなど運転中でも目に入る場所に貼り出しておきます。その際、目印となる場所から「●●個めの信号を右折」というように、距離ではなく信号の数でカウントして、できれば信号の名称も書いておくと、わかりやすいと思います。最近では、パイオニアの楽ナビやNP1など、信号の数で教えてくれるナビも登場していますので、もし購入する際にはそうしたナビを選ぶのもひとつの手です。
苦手なシーンその2は狭い道がイヤという人。歩行者や自転車が多いと緊張してしまったり、電柱や看板などを避けるのが怖かったり、前から対向車が来たらどうやってすれ違えばいいのかわからない、というのが狭い道が苦手な理由だと思います。まず、歩行者や自転車を追い越す際にヒヤリとしないための練習として、動きを予測することと、可能であればその人とアイコンタクトを取ること、そして相手が「追い越されるんだな」とわかっているかどうかを確認するクセをつけましょう。スレスレではなく、なるべく歩行者や自転車との距離に余裕を持って追い越せるタイミングを図る練習も有効です。

もし、前から歩行者や自転車が向かってくる場合には、無理に前進せず、こちらが停車して先に通してあげたほうが安心です。
先にこちらが停車すれば、相手が通過してくれることが多いですが、もし双方が少しずつ進んですれ違うことしかできない場合には、サイドミラーの位置に注意し、ハンドルを左に少しずつ切ってフロントを道の左側に避けるようにします。その後ゆっくりと、対向車が進むのに合わせて、ハンドルを右に戻しながら進み、すれ違いが完了するまで慎重にミラーやカメラで確認しましょう。車両の左右など、死角を映してくれるカメラの機能があれば、より落ちついて操作できます。何度も経験を積むことが何よりの練習になり、よく通る道であればコツが掴めるようになるはずです。
「高速道路が怖い」という人にはふたつのタイプがある
苦手なシーンその3は高速道路です。高速道路が怖いという人には大きく分けてふたつのタイプがあり、ひとつは最初の合流が怖いという人。首都高速道路のように、料金所から本線への合流までの距離が短いところや、後続車がよく見えないような場所はとくに、怖いと感じることが多いと思います。なので、最初は都心部ではなく東名高速道路のように、入り口から本線合流までにたっぷりと助走区間がある高速道路から練習してみましょう。
合流が怖いと感じる人は、本線にたどり着く前にしっかりと加速できていないことが多いです。上り坂になっているところがほとんどなので、自分が思っている以上にグッとアクセルペダルを踏み込まないと、本線を走行してくる車両の流れにスムースに混ざれません。ただし、アクセルをしっかりと踏みつつも、本線を走行してくる車両のどこに入るのかを見極めることも大切です。

そして、高速道路が苦手な人のもうひとつのタイプは、スピードを出すのが怖いという人。単純に速いのが怖い人もいれば、長時間アクセルペダルを一定の力で踏み続けることが難しく、気づかないうちに思った以上の速度が出てしまっている人もいます。
前者の場合には、のんびり走る「仲間」を見つけましょう。高速道路はビュンビュン飛ばす人ばかりが走っているわけではないので、左車線でゆっくり走っている車両を見つけたら、適切な車間距離をとりながら同じペースでついていけば、急いでいる人は勝手に抜いて行ってくれます。もしなかなか「仲間」が見つからない場合には、こまめにミラーで周囲の状況を確認しつつ、自分のペースで走る練習をするといいでしょう。
後者の場合は、クルーズコントロールを使う練習をしてみましょう。ACC(アダプティブクルーズコントロール)があれば、アクセルペダルから足を離しても、前走車との車間距離を保って追従走行してくれます。速度設定のみのクルーズコントロールでも、前走車に近づきすぎないように注意して使うと、速度を一定に保ちやすくなり、疲労感が軽減されることもあると思います。

苦手なシーンその4は駐車(バックでの車庫入れ)です。この練習は、昔はとにかく何度も実践あるのみ、というスパルタな感じでしたが、最近は便利なものが登場しました。それが、車庫入れの練習ができるスマホアプリです。
動きがわからないのに、手と足を使ってクルマを動かせというのは無理な話。実践となると周囲の安全確認をしながらの練習になるのでリスクも大きくなってしまいます。そこでまずは、アプリで頭の中に車庫入れの一連の動きをイメージし、何度も何度も動かして最後は何も見なくても車庫入れが完了するくらいまで思い描けるように練習しましょう。
それができたら、いよいよ実践です。自宅でもいいですが、可能ならなるべく広くて、ほかの車両や歩行者がいない駐車場を選びましょう。入れたい駐車枠に対して、最初にどの向きで進み、どの角度で停車すればいいのか。そこから、ハンドルをどちらにまわして駐車枠にバックするのか。サイドミラー、バックミラーでの安全確認をしつつ、ゆっくりでいいのでイメージと同じように操作してみましょう。

このとき、アクセルペダルは踏まず、ブレーキペダルに足を乗せたまま少しずつ力を抜いていくと車両が動き出す「クリープ」を使います。危ないと思ったらすぐにブレーキを踏んで停止しましょう。途中で操作がわからなくなった時にも無理せず、一度停止して再度、イメージしてから操作を確認。
ということで、苦手なシーン別におすすめの練習方法をご紹介しました。最初から運転が上手な人、得意な人というのはそれほどいませんので、安全第一で練習あるのみ。克服できる日を信じてがんばりましょう。