この記事をまとめると
■ブガッティがドバイに超高級レジデンスを建設することを発表した■45階建てで182戸という贅沢な造りでプライスは約6億円から
■11部屋が用意されるペントハウスは約12億円で専用プールとクルマと乗れるエレベーター付き
ブガッティがドバイで不動産業に進出
プレミアムカーブランドが不動産ビジネスに進出する勢いは、もはや止めようがないほど。ポルシェがマイアミにタワーを建てると、ベントレーやアストンマーチンがあとを追い、ランボルギーニはこれまた世界の富が集中するドバイにレジデンスを建築中というヒートアップぶりは皆様もよくご承知かと。
すると、プレミアムブランドの横綱ともいえる「ブガッティ」だって建てないわけがありません。
ブガッティのレジデンス、といってもリアルな物件開発はさすがに無理。なので、今回はアラブ圏でブイブイいわせてる建築家にして高級物件ディベロッパーのムハンマド・ビンハティ氏とのコラボレーションです。氏はすでにドバイで世界一の地上高を誇るレジデントタワーを建てた実績もあり、ブガッティも三顧の礼をもって迎えたといわれます。
で、場所はドバイのビジネスベイ、行ったことある方ならおわかりでしょうが、いわゆる金融ビジネス街。ドバイ国際空港までは15分、ドバイマリーナまで25分など、いかにも金満家が好みそうな立地ではあります。また、ドバイにいるハイパーカー好きが最高速チャレンジとかやってそうなハイウェイ「シェイクザイードロード」や「アルハイルロード」へも水温上がる前にアクセスできるほど至近。ブガッティのオーナーには見逃せないポイントでしょう。
外観はなにをイメージしたのか、メタルとオーガニックなカーブで構成され、45階建てで総戸数は182戸。武蔵小杉の某タワマンが45階建て542戸ですから日本とは比べ物にならない贅沢スペースということに。ちなみに、「カンヌマンション」と名付けられた2ベッドルームのお部屋で約190平方メートル(58坪程度/約6億円)と、これまたビッグサイズですが、それでもカタログで一番下のほうに小さく載っているお部屋(笑)。さらに、3ベッドルームになると「サントロペマンション」4ベッドルームは「モナコマンション」の名称で、なるほど地価に即したうまいネーミング。

さらに、スーパーカー住居物件ではおなじみのペントハウス(およそ12億円)も用意されていますが、どういうわけか11部屋あるそうです。一般的には屋上部分を独り占めしてこそのペントハウスなんですが、ドバイ特有のしきたりでもあるのかもしれません。で、ペントハウスにはそれぞれ専用プールがベランダに備わるほか、おなじみの「クルマと一緒に乗り込めるエレベーター」があるので、(まさかとは思いますが)朝の駐車場渋滞ともおさらばできる仕組みです。

ペントハウスは投資物件としてもアリかも?
それにしても、この物件なら仮にブガッティの名前がついていなかったとしても、リッチ&ゴージャスだし、それなりの値段で売れちゃいそうですよね。ビンハティ氏はプレミアムブランドとのコラボでもって付加価値でもつけようと目論んだのでしょうか。そこで、都心のタワマンで暮らすひねくれた金満家(ドバイ在住経験もあり)に尋ねてみました。

「ブガッティの名前がなかったらだと? そしたら、まずビンラディンだか、ビンハティさんの資金調達が難しくなっただろうな。ドバイは金がドバドバ唸ってる国だけど、財布のひもが緩いわけじゃない。むしろ、投資にはよその国より厳しい視線が向けられるはず」
それで、ブガッティをパートナーに引き込んで、信用を得ようとしたわけですか?
「むしろブガッティからビンなんとかにアプローチした可能性も否めない。なにしろ、プレミアムブランドと偉そうにしてたって2035年以降はクルマだけじゃ商売が成り立たなくなること明らかだろ。転ばぬ先の杖ってやつで、ブガッティの名前を残しておきたいフォルクスワーゲンがうまいことドバイマネーをフライングゲットってやつじゃね」

ドヤ顔で流行遅れなワードを持ち出すところはともかく、現にアストンマーチンは似たような戦略でマンションどころか、ヘリコプターやクルーザーなど手あたり次第って感じでブランド相乗りビジネスを展開していますからね。あながち、年寄りのひねこびた邪推とも言い切れなさそうです。
それはともかく、ブガッティレジデンスの投資価値ってどうなんスか?
「(最高価格の)ペントハウスなら回収できっかもしんないけど、モナコやサントロペって部屋じゃさほどリターンは期待できそうにないかな。世界中がドバイ投資に飽きはじめてるって噂だから、2026年のランボルギーニマンションだって怪しいんじゃないの」

ニヤリといやらしい笑みを浮かべた金満家。
いずれにせよ、クルマの名門ブランドが冠となりながら、クルマ好きにとってはちょっと微妙な距離感のある物件みたいです(笑)。