この記事をまとめると
トヨタがランドクルーザープラドの後継モデルとなるランドクルーザー250を世界初公開した



■250の投入がプラドの中古車相場にどのような影響を与えるかを考えた



■250が人気車となって受注を停止したりすると先代型の中古車価格まで高騰させる可能性がある



新型ランクル250登場でプラドの中古車相場はどう変わる?

2023年8月に、ランドクルーザー250が世界で初めて公開された。開発者は「ランドクルーザーの原点回帰」を目指したというが、ランドクルーザープラドを廃止して250を投入するから、その後継と考えられる。



「先代プラドの中古価格」が「新型ランクル250の新車価格」を...の画像はこちら >>



一般的にいえば、250が投入されると、プラドの中古車価格は下降する。

以前のプラドは現行型だったが、250の発売により、先代型になるからだ。



中古車の流通台数も中古車価格に影響を与える。250が発売されると、プラドからの乗り替えが発生するからだ。このときに下取りされたプラドが中古車市場に流通すると、中古車需要に対して流通台数が増えるため、中古車価格を下げる効果も生じる。このふたつの理由により、一般的には、これからプラドの中古車が求めやすくなる。



「先代プラドの中古価格」が「新型ランクル250の新車価格」を超える可能性ってマジか! 常識が通用しない納期遅延下の中古市場
トヨタ・ランドクルーザープラドのフロントスタイリング



ところがトヨタ系列の中古車販売店では「250が発売されたときの納期次第では、中古車価格が高まる可能性もある」という。以下のように続けた。「たとえば現行型のランドクルーザー(300)は、発売直後から、納期が4年以上に延びた。そのために新型のランドクルーザーに興味を持ったお客さまが、中古車も検討するようになった。ただし、新型の中古車は入手困難だから、先代型(200)の中古車が注目され、その価格まで引き上げられている」



新型の人気が高すぎると先代中古車価格も上がる

新型車の納期が遅延すると、その中古車価格が高騰するのはよく見られる傾向だが、ランドクルーザーは、先代型の中古車価格まで高騰しているわけだ。新しいランドクルーザー250の発売時期は、販売店によると「現時点(2023年8月時点)では未定だが、日本で受注を開始するのは2024年に入ってからだろう」という。



したがって250の受注状況なども分からないが、プラドに比べるとボディを拡大して存在感も強めた。

プラドはランドクルーザー(300)よりもボディがコンパクトでホイールベース(前輪と後輪の間隔)も短いが、新しい250は300とほぼ同じ大きさで、外観もカッコ良くなった。



「先代プラドの中古価格」が「新型ランクル250の新車価格」を超える可能性ってマジか! 常識が通用しない納期遅延下の中古市場
トヨタ・ランドクルーザー250のサイドビュー



そのために、250はプラドに比べると値上げされることが予想できる。直列4気筒2.7リッターガソリンエンジン車の場合、プラドはもっとも安価なTXが367万6000円、売れ筋のTX・Lパッケージは417万9000円だ。これが250になると、もっとも安価なグレードでも420万円前後で、売れ筋は470万円くらいに達するのではないだろうか。



しかし、それでもランドクルーザー300でもっとも安価なGXの510万円に比べれば大幅に安い。したがって250も人気車になり、その納期が数年間に渡って遅延したり現在の300のように受注を停止したりすると、先代型の中古車価格まで高騰させてしまう。



「先代プラドの中古価格」が「新型ランクル250の新車価格」を超える可能性ってマジか! 常識が通用しない納期遅延下の中古市場
トヨタ・ランドクルーザープラドのフロントスタイリング



ちなみにランドクルーザー300の納期が延びた結果、先代型になる200の中古車価格まで、300の新車価格を大幅に超えるに至った。このような価格高騰は、メーカーの供給不足が招いた市場の混乱だ。トヨタは日本を代表するトップメーカーだから、市場を安定させるように務めねばならない。

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