この記事をまとめると
■ランドクルーザー250の販売が発表された■ランドクルーザーには似たような車格や性格のライバルモデルが国内市場に存在する
■都会派ユーザーはランドクルーザー以外のモデルもオススメだ
話題のランドクルーザー250のライバルを探してみた
言うまでもない。同シリーズにおいて『快適な乗り心地と悪路走破性を両立したライトユースモデル』と位置付けられてきたのはランドクルーザー“プラド”だった。
そのプラドが、ランドクルーザー250へと名前を変えてモデルチェンジするといった発表があったことで大いに注目を集めている。
日本での発売開始は2024年前半ということで、スタイリングやパワートレイン、メカニズムなどは公開されているが、価格や燃費についての情報は未公開。そのため、国内での販売がどの程度期待されるのかを考察するには情報不足ではあるが、国内トップクラスのリセールバリューを誇るプラドの後継モデルであれば売れないはずはないだろう。
そこで、ここでは国内市場において想定されるライバルと比較してみたい。
国内向けランドクルーザー250のパワートレインとしては2.8リッターディーゼル(8速AT)と2.7リッターガソリン(6速AT)といった純エンジンがラインアップされるという。グローバルには、2.4リッターガソリンターボハイブリッドや2.8リッターディーゼルマイルドハイブリッド(48V)といった電動化パワートレインも登場するというが、今回はあくまでも国内仕様をベースに考えてみた。
ご存じのように、新しいランドクルーザー250は、トヨタの新世代アーキテクチャーに基づくモデルとなっている。プラットフォームはランドクルーザー300系にも採用される「GA-Fプラットフォーム」であり、具体的にはハイテンを積極的に用いたラダーフレームにエンジンを縦置きするという伝統的なクロスカントリー4WDメカニズムを採用している。
ラダーフレームのクロスカントリー4WDという点でいうと、最大のライバルはランドクルーザーシリーズのフラッグシップとなるランドクルーザー(300系)だろう。
300系のパワートレインは、3.5リッターガソリンと3.3リッターディーゼルで、いずれもV6ツインターボとなっている。ランドクルーザー250はガソリン、ディーゼルともに4気筒となっているので、車格としてもハードウェアとしても比較するには不適切だろう。
とはいえ、300系はあまりの人気に受注停止となっている。
というわけで、兄貴分であるランドクルーザー(300系)とランドクルーザー250の勝負は五分五分だが、僅差で300系が優位といったところだろうか。
オンロードを目的とするのであればランクル以外も選択肢に
ランドクルーザー250の発表と同時に、この冬に日本での再販が始まると正式発表されたランドクルーザー70も、250のライバルとなる。
日本仕様のランドクルーザー70のパワートレインは2.8リッターディーゼルで、最高出力150kW、最大トルク500Nmというスペックは両モデルに共通。250は8速AT、70は6速ATという違いはあるため、高速巡行での静粛性や燃費性能においては250が有利だろう。一方、タフなクロカン性能でいえば実績ある6速ATに分があるかもしれない。
ボディサイズについては250のスリーサイズが「全長:4925mm・全幅:1980mm・全高:1870mm」と国内で使うには大きめとなっている。70のボディサイズは「全長:4890mm・全幅:1870mm・全高:1920mm」と、とくに全幅については日本で使いやすそうな印象もある。ステアリング切れ角など、実際の取りまわしにおいて、どちらが優位なのかは試してみないとわからない部分も多いが、少なくとも駐車スペースとの関係においては、70を選ぶしかないと感じているランクルファンはいるのではないだろうか。
縦置きエンジンの新しいプラットフォームを持つクロスオーバーSUV、マツダCX-60もランドクルーザー250のライバルとなるだろう。もし価格帯が同程度だとすれば、直列6気筒ディーゼルを積んでいるという点において、CX-60はランドクルーザー250よりプレミアムに思えるだろうし、マイルドハイブリッドやプラグインハイブリッドなど、電動化における選択肢も用意されている分だけ現代的なSUVといえるのもアドバンテージだ。
もっとも、クロスカントリー4WDとしての悪路走破性については実際に比べるまでもなくランドクルーザー250の圧勝だろう。駆動力を強めるローレンジを持っているランドクルーザー250には、ワンランク上の走破性が期待できる。オンロードでのコーナリング性能に役立つが、オフロードではサスペンションの伸びをジャマしてホイールトラベルを減らしてしまうスタビライザーについてオン/オフする機構もランドクルーザー250は備えている。
※画像はランドクルーザー300のスタビライザー
しかしながら、CX-60には直列6気筒ディーゼルというエンジン形式によるアドバンテージがある。オンロードでのプレミアム性を求めるユーザーにとっては、CX-60のほうが満足度の高い選択となり得るだろう。
オフロード性能だけでいえば、スズキ・ジムニーも忘れられない。660ccターボを積む軽自動車のジムニー、1.5リッターエンジンの登録車ジムニーシエラで構成されるジムニー兄弟は、同等のラダーフレームにオーソドックスな副変速機付きのパートタイム4WDを搭載したミニマム・オフローダーだ。
アダプティブ・バリアブル・サスペンションシステム(AVS)やオフロード走行を支援するマルチテレインセレクト、床下の状態を映像でみせるマルチテレインモニターなど、電子制御によってオフロード性能をアップさせたランドクルーザー250とは方向性が異なるが、実際のクロカン走行においては、軽くてコンパクトなジムニー兄弟が有利なシチュエーションもあることは間違いない。
そうはいっても、実際にはランドクルーザー250とジムニーで迷うユーザーというのは少数派だろう。むしろランドクルーザーとジムニーの両方をガレージに並べておきたいというのがクロスカントリーファンの本音といえそうだ。

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